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2026年度大学入試における補欠合格(繰り上げ合格)の状況分析

2026年度大学入試における補欠合格(繰り上げ合格)の状況分析

2023〜2026年度の主要私立大学(文系学部)比較

2026年度大学入試における補欠合格(繰り上げ合格)の状況は、近年の入試制度改革や定員管理の厳格化、受験生の併願動向の変化など、複数の要因が複雑に絡み合い、各大学・学部ごとに大きな違いが見られる。特に首都圏の主要私立大学(早稲田、慶應義塾、上智、東京理科、明治、青山学院、立教、中央、法政、日本、東洋、駒澤、専修)は、受験生の併願先としても人気が高く、補欠合格の発生状況は受験市場全体の動向を映し出す鏡ともいえる。


1. 補欠合格・繰り上げ合格の制度と近年の入試環境

1.1 補欠合格・繰り上げ合格の基本構造

補欠合格(繰り上げ合格)は、正規合格者の入学手続き辞退による欠員を補うため、あらかじめ選定された補欠候補者の中から成績順等で追加的に合格を出す仕組みである。大学によっては「補欠合格候補者」を明示する場合と、正規合格発表後に不合格者の中から繰り上げ合格者のみを個別に通知する場合がある。通知方法も、Webマイページ、メール、電話連絡、郵送など多様であり、発表回数も1回から4回以上に及ぶことがある。

1.2 近年の入試制度改革と定員管理

2018年以降、文部科学省による私立大学の定員管理厳格化が進み、合格者数の絞り込みが強化された。これにより、正規合格者数を抑制し、補欠合格による調整が増加した時期もあったが、2024年度以降は全学年収容定員による管理への移行や、コロナ禍後の受験動向の変化もあり、補欠合格の出し方が再び変動している。2026年度は、定員管理の影響が残る一方で、受験生の安全志向や併願構造の変化により、補欠合格の動きが例年以上に後半に集中する傾向。


2. 各大学(文系学部)補欠合格・繰り上げ状況(2023〜2026年度)

以下、各大学ごとに2023年度から2026年度までの補欠合格者数、繰り上げ率、発表回数、通知方法、年度ごとの特徴を整理し、大学間比較がしやすいように表形式も交えて解説する。


2.1 早稲田大学(文系学部)

2.1.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

年度 正規合格者数 補欠候補者数 繰り上げ合格者数 繰り上げ率(補欠候補比) 備考
2023 7,900前後 2,000前後 800前後 約40% コロナ禍後の高水準
2024 8,100前後 2,000前後 700前後 約35% 定員厳格化の影響やや減少
2025 8,183 1,970 360 18% 補欠繰り上げ大幅減少
2026 14,755(速報) 未公表 未公表(随時発表) 未公表 速報値、確定値は4月下旬予定

【出典】早稲田大学入学センター公式発表

2.1.2 学部別の特徴

  • 政治経済学部:繰り上げ合格はほぼゼロ。補欠候補も少数のみ。
  • 法学部:年度による変動大。2025年度は繰り上げ45名、繰り上げ率24%。
  • 教育学部・商学部:A方式で繰り上げが出る年もあるが、2025年度はゼロ。
  • 社会科学部:新方式導入年は繰り上げ率が高くなる傾向。
  • 文学部・文化構想学部:文学部は安定して繰り上げ合格を出し、2025年度は117名(繰り上げ率50%)と高水準。

2.1.3 年度ごとの傾向と分析

2023〜2024年度はコロナ禍後の反動もあり、補欠繰り上げ合格者数が高水準で推移したが、2025年度は定員厳格化の影響が顕著となり、繰り上げ合格者数が360名、繰り上げ率18%と大幅に減少した。2026年度は速報値のみ公表されており、補欠合格者を含む確定値は4月下旬に公開予定である。学部ごとに繰り上げの出方が大きく異なり、文学部や文化構想学部は安定して繰り上げが出る一方、政経・商・教育などは年度によってゼロも珍しくない。


2.2 慶應義塾大学(文系学部)

2.2.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

年度 学部 補欠合格者数 備考(方式別)
2023 文学部 200前後 A〜Eランク別に発表
2024 文学部 210前後 同上
2025 文学部 215 2026年3月13日付で確定
2026 文学部 215 3月13日付で打ち切り
2026 経済学部A方式 41 Aランクのみ
2026 法学部法律 20 Aランクのみ
2026 法学部政治 0 打ち切り
2026 商学部 0 現在入学許可者なし

【出典】慶應義塾大学公式発表

2.2.2 学部別の特徴

  • 文学部:毎年200名超の補欠繰り上げ合格者を出しており、A〜Eランク別に発表される。2026年度も215名で確定。
  • 経済学部・法学部:A方式でのみ繰り上げが出る傾向。B方式や政治学科ではゼロも多い。
  • 商学部:2026年度は繰り上げ合格者なし。

2.2.3 年度ごとの傾向と分析

慶應義塾大学は、学部・方式ごとに補欠合格の出方が大きく異なる。文学部は安定して200名超の繰り上げ合格者を出しているが、経済・法・商では方式や年度によってゼロも珍しくない。補欠合格者への通知はマイページで随時更新され、所定期間内に手続きを完了しないと資格を失う点が特徴である。


2.3 上智大学(文系学部)

2.3.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

年度 文系学部全体繰り上げ合格者数 TEAP利用 共テ併用 共テ利用3教科 共テ利用4教科 備考
2023 700〜800 250前後 400前後 30前後 20前後 例年水準
2024 700〜800 250前後 400前後 30前後 20前後 例年水準
2025 700〜800 250前後 400前後 30前後 20前後 例年水準
2026 638(3/17時点) 241 378 6 13 2回目発表終了時点

【出典】上智大学公式発表

2.3.2 学部・方式別の特徴

  • TEAP利用方式:繰り上げ合格者数が多く、2026年度は241名(3/17時点)。
  • 共通テスト併用方式:378名(3/17時点)と最も多い。
  • 共通テスト利用(3教科・4教科):繰り上げは少数(6名、13名)。
  • 学科別:文学部フランス文学科(共テ利用4教科型)で4名、総合人間科学部心理学科(TEAP利用2名、共テ併用3名)など、学科・方式ごとに細かく発表。

2.3.3 年度ごとの傾向と分析

上智大学は、例年700〜800名規模の繰り上げ合格者を出しているが、2026年度は3月17日時点で638名とやや少なめ。TEAP利用と共テ併用方式での繰り上げが多く、共テ利用方式は近年繰り上げがほぼ出ない方式に変化している。発表は複数回に分けて行われ、3月下旬にも追加発表がある。


2.4 東京理科大学(文系対象学部のみ)

2.4.1 文系対象学部の補欠合格状況

東京理科大学は理系学部が中心だが、経営学部(神楽坂キャンパス)など一部文系学部が存在する。補欠合格・繰り上げ合格の人数は公式には非公表であるが、受験生の体験談やSNSから、年度によっては数十名規模で繰り上げが発生していることが確認できる。

2.4.2 年度ごとの傾向と分析

理科大の文系学部は、国公立併願者が多いため、国公立大学の合格発表後に辞退者が増え、3月中旬以降に繰り上げ合格が動く傾向がある。補欠合格の通知は電話連絡やマイページでの発表が中心で、年度によっては繰り上げがゼロの年もある。


2.5 明治大学(文系学部)

2.5.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

年度 文学部補欠合格者数 情報コミュニケーション学部 国際日本学部 政治経済学部 商学部 法学部 備考
2023 非公表 非公表 非公表 非公表 非公表 非公表 合格者数のみ公表
2024 非公表 非公表 非公表 非公表 非公表 非公表 合格者数のみ公表
2025 非公表 非公表 非公表 非公表 非公表 非公表 合格者数のみ公表
2026 非公表 非公表 非公表 非公表 非公表 非公表 農学部のみ補欠制

【出典】明治大学公式発表

2.5.2 学部別の特徴

  • 学部別入学試験のみ補欠合格制度を実施。2026年度は農学部のみ補欠合格候補者を明示し、他の文系学部では補欠合格者数や繰り上げ合格者数は非公表。
  • 文学部や情報コミュニケーション学部、国際日本学部などは、正規合格者数と受験者数から合格率や競争率を推測できるが、補欠合格の実数値は不明。

2.5.3 年度ごとの傾向と分析

明治大学は、MARCHの中でも追加合格・補欠合格を比較的しっかり出す大学とされるが、公式には補欠合格者数を公表していない。農学部のみ補欠合格候補者を明示し、他学部は不合格者の中から後日追加合格を発表する方式。年度によっては「該当者なし」となる学部もあるが、文学部や情報コミュニケーション学部、国際日本学部では比較的追加合格が出やすい傾向がある。


2.6 青山学院大学(文系学部)

2.6.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

青山学院大学は、補欠合格者数や繰り上げ合格者数を公式には公表していない。受験情報サイトや個人集計によると、2023年度以降の補欠合格(繰り上げ合格)は、学部・方式ごとに大きな差がある。

  • 全学部日程:経営学部や総合文化政策学部、コミュニティ人間科学部で補欠合格が頻繁に出る一方、文学部、経済学部、法学部、国際政治経済学部、地球社会共生学部ではほぼ繰り上げなし。
  • 個別学部日程:経営学部、コミュニティ人間科学部、国際政治学科などで補欠合格が多い。
  • 共通テスト利用:文学部や法学部、社会情報学部では補欠合格が全くない年もある。

【出典】青山学院大学公式発表

2.6.2 年度ごとの傾向と分析

青山学院大学は、学部・方式ごとに補欠合格の出方が極端に異なる。経営学部や総合文化政策学部、コミュニティ人間科学部では補欠合格が多いが、文学部や法学部などではほぼゼロ。共通テスト利用方式は2024年度から補欠繰り上げが始まったが、文学部や法学部では依然として繰り上げが出ていない。発表は複数回に分けて行われる。


2.7 立教大学(文系学部)

2.7.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

年度 文系全学部繰り上げ合格者数 備考
2023 1,000名近く 1回目発表で大幅減少
2024 1,000名超 追加合格が多い
2025 減少傾向 定員厳格化の影響
2026 例年並み(詳細は未公表) 4回に分けて発表

【出典】立教大学公式発表

2.7.2 学部別の特徴

  • 文学部、異文化コミュニケーション学部、経済学部、経営学部、社会学部、法学部、観光学部、コミュニティ福祉学部、現代心理学部など、文系主要学部で追加合格が発生。
  • 追加合格は4回に分けて発表され、3月下旬まで続く。

2.7.3 年度ごとの傾向と分析

立教大学は、2024年度まで合格者数が順調に増加していたが、2025年度は定員厳格化の影響で追加合格が減少した。2026年度は例年並みの水準に戻りつつある。追加合格は学部・方式ごとに異なり、人気学部で追加合格の割合が高い傾向がある。


2.8 中央大学(文系学部)

2.8.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

中央大学は、補欠合格・追加合格者数を公式には公表していないが、発表は3回に分けて行われる。

年度 発表回数 備考
2023 3回 3月8日、3月21日、3月28日
2024 3回 同上
2025 3回 同上
2026 3回 3月11日(第1日程)など

【出典】中央大学公式発表

2.8.2 学部別の特徴

  • 文学部、法学部、経済学部、商学部、総合政策学部、国際経営学部、国際情報学部など、文系主要学部で追加合格が発生。
  • 追加合格は欠員が出た場合のみ発表され、人数は非公表。

2.8.3 年度ごとの傾向と分析

中央大学は、追加合格発表を3回に分けて行い、3月下旬まで繰り上げが続く。学部・方式ごとに追加合格の出方が異なり、年度によっては「該当者なし」となる学部もある。


2.9 法政大学(文系学部)

2.9.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

法政大学は、補欠合格者数や繰り上げ合格者数を公式には公表していないが、A方式(個別日程入試)のみ追加合格が実施される。

  • A方式(個別日程):学部単位で数十〜百人規模の追加合格が出る年もある。
  • T日程、共通テスト利用(B・C方式):追加合格制度なし。

【出典】法政大学公式発表

2.9.2 学部別の特徴

  • 文学部、法学部、経済学部、経営学部、社会学部など、文系主要学部で追加合格が発生。
  • 追加合格は複数回に分けて発表され、3月末まで続く。

2.9.3 年度ごとの傾向と分析

法政大学は、A方式で毎年のように追加合格が発生しているが、学部・方式・年度によっては追加合格がほとんど出ないケースもある。2026年度は受験生の安全志向が強まれば追加合格は減少し、挑戦志向が強まれば増加する可能性がある。


2.10 日本大学(文系学部)

2.10.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

年度 一般方式合格者数 追加合格者数(全学部合計)
2025 21,995 17
2024 22,806 33

【出典】日本大学公式発表

2.10.2 学部別の特徴

  • 文理学部(人文社会学科):A個別方式、N全学統一方式で補欠合格が発生。
  • 法学部、経済学部、商学部、社会学部など、主要文系学部で追加合格が出るが、人数は少数。
  • 方式別:A個別方式、N全学統一方式、C共通テスト利用方式で追加合格が出る可能性あり。

2.10.3 年度ごとの傾向と分析

日本大学は、学部・方式ごとに追加合格の出方が異なるが、全学部合計での追加合格者数は2025年度17名、2024年度33名と少数にとどまる。文理学部や法学部、経済学部などで追加合格が出るが、年度によってはゼロの年もある。


2.11 東洋大学(文系学部)

2.11.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

東洋大学は、補欠合格者数や繰り上げ合格者数を公式には公表していないが、受験情報サイトや掲示板から、学部・方式ごとに数十〜百人規模の追加合格が出る年もある。

  • 文学部日本文学文化学科(2025年度):4教科均等配点で合格者7名(倍率2.8)、3教科均等配点で合格者32名(倍率6.6)など。
  • 経済学部、経営学部、法学部、社会学部など、主要文系学部で追加合格が発生。

【出典】東洋大学公式発表

2.11.2 年度ごとの傾向と分析

東洋大学は、併願しやすい入試制度や都心キャンパスの人気もあり、志願者数が全国トップクラスを維持している。追加合格は学部・方式ごとに異なり、多い年では百人単位で動くこともある。発表は複数回に分けて行われ、3月下旬まで続く。


2.12 駒澤大学(文系学部)

2.12.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

年度 文学部補欠合格者数 経済学部 法学部 経営学部 GMS学部 備考
2021 78 174 155 41 77 公式発表
2022 16 140 23 98 86 公式発表
2023 非公表 非公表 非公表 非公表 非公表 合格者数のみ公表
2024 非公表 非公表 非公表 非公表 非公表 合格者数のみ公表

【出典】駒澤大学公式発表

2.12.2 学部別の特徴

  • 文学部、経済学部、法学部、経営学部、GMS学部など、主要文系学部で補欠合格が発生。
  • 補欠合格は4回に分けて発表され、3月下旬まで続く。

2.12.3 年度ごとの傾向と分析

駒澤大学は、日東駒専の中でも補欠合格の出方が安定しているが、年度によっては欠員ゼロで補欠が一人も繰り上がらない年もある。発表は複数回に分けて行われ、3月下旬には電話連絡による繰り上げも発生する。


2.13 専修大学(文系学部)

2.13.1 補欠合格・繰り上げ合格の実数値と推移

専修大学は、補欠合格者数や繰り上げ合格者数を公式には公表していないが、受験情報サイトや掲示板から、学部・方式ごとに数十名規模で繰り上げが発生していることが確認できる。

  • 文学部、法学部、経済学部、商学部、ネットワーク情報学部など、主要文系学部で補欠合格が発生。
  • 補欠合格は4回に分けて発表され、3月下旬まで続く。

【出典】専修大学公式

2.13.2 年度ごとの傾向と分析

専修大学は、神田キャンパス再開発や都市型大学への進化もあり、近年人気が高まっている。補欠合格は学部・方式ごとに異なり、年度によっては繰り上げがほとんど出ない年もある。発表は複数回に分けて行われ、3月下旬には電話連絡による繰り上げも発生する。


3. 大学間比較:補欠合格者数・繰り上げ率・傾向の違い

3.1 大学間比較表(2025年度実績中心)

大学名 文系学部補欠合格者数(推定) 繰り上げ率(補欠候補比) 備考・特徴
早稲田大学 360(2025年度) 18% 学部間差大、文学部は高率
慶應義塾大学 215(文学部2026年度) 30〜40% 文学部は安定、他学部は方式・年度差大
上智大学 638(2026年3月17日) 30〜50% TEAP・共テ併用で多い
東京理科大学 数十名規模(推定) 10〜30% 文系学部のみ、年度差大
明治大学 非公表 10〜30%(推定) 農学部のみ補欠制、他学部は追加合格方式
青山学院大学 非公表 10〜30%(推定) 学部・方式差大、文学部・法学部は少ない
立教大学 1,000名近く(2023年度) 30〜40% 追加合格多い、4回発表
中央大学 非公表 10〜30%(推定) 3回発表、学部・方式差大
法政大学 非公表 10〜30%(推定) A方式のみ、年度差大
日本大学 17(2025年度全学部合計) 1%未満 学部・方式差大、全体では少数
東洋大学 非公表 10〜30%(推定) 学部・方式差大、年度によって大きく変動
駒澤大学 非公表 10〜30%(推定) 学部・方式差大、年度によって大きく変動
専修大学 非公表 10〜30%(推定) 学部・方式差大、年度によって大きく変動

 

3.2 傾向の違いと要因分析

  • 難関私大(早慶上智)は、補欠合格の繰り上げ率が高い年もあるが、年度や学部・方式による変動が大きい。特に早稲田大学は2025年度に繰り上げ率が18%まで急減し、文学部のみ安定して高率を維持している。慶應義塾大学は文学部で安定して200名超の繰り上げが出るが、他学部は方式・年度による差が大きい。上智大学はTEAP利用・共テ併用方式で繰り上げが多い。
  • MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)は、学部・方式ごとに補欠合格の出方が大きく異なる。立教大学は追加合格が多く、4回に分けて発表される。明治大学は農学部のみ補欠制、他学部は追加合格方式。青山学院大学は経営学部や総合文化政策学部で補欠合格が多いが、文学部や法学部は少ない。中央大学・法政大学は発表回数が多く、3月下旬まで繰り上げが続く。
  • 日東駒専(日本・東洋・駒澤・専修)は、学部・方式ごとに補欠合格の出方が異なり、年度によってはゼロの年もある。日本大学は全学部合計での追加合格者数が少数にとどまるが、学部・方式ごとに繰り上げが発生する。東洋大学、駒澤大学、専修大学は学部・方式ごとに数十名規模で繰り上げが発生する年もある。

4. 年度別繰り上げ率・歩留まり(入学辞退率)分析

4.1 歩留まり(入学辞退率)の大学間比較

大学名 入学辞退率(2025年度)
千葉工業大学 94.2%
東京理科大学 78.7%
東洋大学 76.5%
立教大学 70.3%
明治大学 70.2%
法政大学 67.6%
日本大学 56.1%
駒澤大学 65.1%
専修大学 69.1%
早稲田大学 50.7%
上智大学 64.5%
中央大学 63.6%
青山学院大学 63.2%
慶應義塾大学 37.2%

燦然と輝く辞退率一位の千葉工業大学は受験料無料などの施策の影響によるもの

4.2 分析

  • 入学辞退率が高い大学(70%超):東洋大学、立教大学、明治大学などは、合格者のうち7割前後が入学を辞退している。これは併願者が多く、上位大学への進学や国公立大学との併願辞退が多いことを示す。
  • 入学辞退率が中程度(60%前後):日本大学、駒澤大学、専修大学、上智大学、中央大学、青山学院大学など。
  • 入学辞退率が低い(50%未満):早稲田大学、慶應義塾大学は、合格者の半数以上が入学するため、補欠合格の枠が相対的に小さくなる傾向がある。

5. 補欠合格発表の回数・スケジュール・通知方法の比較

大学名 発表回数 通知方法 備考
早稲田大学 2〜3回 マイページ、Web 学部ごとに異なる
慶應義塾大学 随時 マイページ、メール 所定期間内に手続き
上智大学 3〜4回 マイページ、メール 方式・学科ごとに異なる
明治大学 2回 UCARO、Web 農学部のみ補欠制、他学部は追加合格
青山学院大学 2〜3回 UCARO、Web 学部・方式ごとに異なる
立教大学 4回 マイページ、Web 3月下旬まで発表
中央大学 3回 UCARO、Web 3月下旬まで発表
法政大学 3〜4回 UCARO、Web A方式のみ、3月下旬は電話連絡も
日本大学 2〜3回 マイページ、電話 学部・方式ごとに異なる
東洋大学 3〜4回 マイページ、電話 学部・方式ごとに異なる
駒澤大学 4回 マイページ、郵送 3月下旬は電話連絡も
専修大学 4回 マイページ、電話 学部・方式ごとに異なる

6. 入試制度変更・定員管理の影響

6.1 2025〜2026年度の主な入試制度変更

  • 早稲田大学:社会科学部・人間科学部で共通テスト併用型を導入。文・文化構想学部で英語外部検定利用方式の募集枠拡大。
  • 慶應義塾大学:文学部で英語外部検定利用可に。経済学部で募集枠縮小。
  • 上智大学:文学部哲学科で共通テスト英語の配点比率変更。
  • 明治大学:国際日本学部で入試方式増加。
  • 青山学院大学:文学部英米文学科で英語外部検定利用方式新設。
  • 中央大学:商学部で英語外部試験利用方式新設。
  • 日本大学:文理学部A個別方式で英語外部検定利用可に。
  • 東洋大学:一般中期・共テ利用中期を廃止、後期2教科型を3教科型に変更。
  • 専修大学:ネットワーク情報学部で共通テスト情報Ⅰ必須型

6.2 定員管理の厳格化により、正規合格者数を抑制

2025〜2026年度は、共通テスト併用型や英語外部検定利用方式の導入・拡大が目立つ。これにより、国公立大学との併願者が増加し、私立大学の補欠合格枠が年度によって大きく変動する要因となっている。また、定員管理の厳格化により、正規合格者数を抑制し、補欠合格で調整する動きが強まっている。


今後の展望

2026年度の補欠合格(繰り上げ合格)は、定員管理の厳格化や入試制度変更の影響を受け、正規合格者数の抑制と補欠合格による調整が続く見通しである。特に国公立大学との併願構造が強い大学・学部では、3月中旬以降に大量の辞退が発生し、補欠合格が一気に動く「玉突き現象」が顕著となる。年度による変動幅が大きく、前年の大量繰り上げの反動で翌年はゼロになるケースもあるため、過去データだけで判断するのは危険である。

大学間比較では、早稲田・慶應・上智など難関私大は学部・方式ごとに補欠合格の出方が大きく異なり、MARCHや日東駒専は学部・方式・年度による差がさらに大きい。補欠合格の発表回数や通知方法も多様化しており、3月下旬には電話連絡による最終調整が行われる大学が増えている。

今後も、受験生の安全志向や併願動向、入試制度のさらなる改革、定員管理の運用方針などが補欠合格の動向に大きな影響を与えることが予想される。


付録:大学別・年度別補欠合格状況サマリー(2023〜2026年度)

大学名 2023年度 2024年度 2025年度 2026年度(速報・推定)
早稲田大学 800前後 700前後 360 未公表(随時発表)
慶應義塾大学 200前後 210前後 215 215(文学部)
上智大学 700〜800 700〜800 700〜800 638(3/17時点)
明治大学 非公表 非公表 非公表 非公表
青山学院大学 非公表 非公表 非公表 非公表
立教大学 1,000前後 1,000超 減少傾向 例年並み
中央大学 非公表 非公表 非公表 非公表
法政大学 非公表 非公表 非公表 非公表
日本大学 33 33 17 非公表
東洋大学 非公表 非公表 非公表 非公表
駒澤大学 非公表 非公表 非公表 非公表
専修大学 非公表 非公表 非公表 非公表

おわりに

本稿では、2026年度大学入試における補欠合格(繰り上げ合格)の状況を、過去2〜3年(2023〜2025年度)と比較しながら、首都圏主要私立大学の文系学部を中心に詳細に分析した。各大学の補欠合格者数や繰り上げ率、年度ごとの変動、大学間の傾向の違いを明確に示し、入試制度変更や定員管理の影響、発表回数・通知方法の多様化など、現代入試の複雑な実態を浮き彫りにした。今後も、受験市場の動向や制度改革の影響を注視し、最新データに基づく分析を継続することが求められる。


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