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【大学受験直前期】過去問で点が取れない・模試判定が悪い...予備校講師が教える最終調整法

 

【大学受験直前期】過去問で点が取れない・模試判定が悪い…予備校講師が教える最終調整法

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はじめに——直前期の不安、実はみんな同じです

毎年この時期になると、面談には不安そうな顔をした受験生と保護者の方がいらっしゃいます。

「先生、過去問を何度解いても合格最低点に届かないんです」
「模試の判定がずっとC判定で…志望校を変えるべきでしょうか」
「共通テストまであと○日なのに、まだ時間配分が定まらなくて」
「体調が不安定で、夜も眠れません」

こういった相談を、私は何百回と聞いてきました。そしてその度に思うのは、直前期に不安にならない受験生なんてほとんど存在しないということです。

点数という冷酷な数字が目の前に並び、残された時間が日に日に減っていく。焦りと不安が一気に噴き出すのは、むしろ自然な反応なんです。

でも、ここで知っておいてほしいのは、今からでもできる調整は確実に存在するということ。そして、直前期の過ごし方次第で、結果は大きく変わるということです。

この記事では、予備校講師として長年現場で見てきた経験をもとに、直前期に起こりがちな悩みと、そこから合格に近づくための現実的な調整法をお伝えします。


目次

  1. 大学受験直前期に起こる悩みとその本質
  2. 過去問で点が取れないときの最終調整法
  3. 合格最低点に届かない受験生が直前期にやるべきこと
  4. 模試の判定が悪くても受かる子の共通点
  5. 共通テスト(マーク式)対策の実践ポイント
  6. 国公立二次・私立一般対策の重点配分
  7. 保護者向け:直前期の関わり方
  8. よくある質問Q&A
  9. まとめ

大学受験直前期に起こる悩みとその本質

直前期に多く聞く悩みを整理すると、大きく分けて以下のようなパターンがあります。

  • 過去問で点数が安定しない、合格最低点に届かない
  • 模試の判定が思わしくない(C判定・D判定が続く)
  • 時間配分がうまくいかない、解き方に迷いが出る
  • 体調が不安定、夜眠れない、集中力が続かない
  • 新しいことに手を出すべきか、今のままでいいのか分からない

ここで重要なのは、これらの問題は必ずしも「学力不足」が原因ではないということです。

長年指導していて気づくのは、直前期に点数が伸び悩む原因の多くが、実は技術的な問題なんです。

  • 時間配分が適切でない(難問に時間をかけすぎている)
  • 緊張で本来の力が出せていない(模試や過去問でも緊張する子がいます)
  • 試験形式に慣れていない(マークシートの塗り間違い、記述の型がズレている)
  • 疲労や睡眠不足で集中力が低下している
  • ケアレスミスのパターンを自覚していない

つまり、知識を増やすことよりも、今持っている力を確実に出し切る調整が直前期には必要なんです。


過去問で点が取れないときの最終調整法

過去問で思うように点が取れないとき、多くの受験生が「もっと勉強しなきゃ」と焦って新しい問題集に手を出します。でも、これは直前期では逆効果です。

過去問の正しい回し方

直前期の過去問演習では、以下のサイクルを回してください。

  1. 通し解き(本番と同じ時間・環境で)

    • 必ず時計を見ながら、時間を計測する
    • スマホは見ない、休憩も本番と同じタイミングで取る
  2. 採点と失点分析(ここが最重要)

    • 単に点数を出すだけではダメ
    • 失点を以下の3つに分類する:
      • 完全に解けなかった問題(知識不足・難問)
      • 時間があれば解けた問題(時間配分ミス)
      • ケアレスミスで落とした問題(計算ミス・マークミス・読み間違い)
  3. 優先順位をつけて復習

    • ③を最優先でつぶす(これが一番点数に直結します)
    • ②は時間配分の見直しと、解く順番の調整で対応
    • ①のうち、基礎的な問題だけ復習(難問は捨てる勇気も必要)
  4. 部分演習で弱点補強

    • 苦手な大問だけを抜き出して、集中的に練習
    • 例:英語長文の第3問だけを5年分、数学の微積だけを10年分
  5. 再度通し解き

    • 同じ年度でも構わないので、調整後の実力を確認

時間配分と捨て問戦略の見直し法

マーク式の場合:

  • 各大問ごとに「○分以内」という目標時間を決める
  • 迷った問題は印をつけて飛ばし、一通り解いてから戻る
  • 推測ルールを作る(例:英語で迷ったら主語に近い選択肢、数学で計算が合わないときは選択肢を逆算)

記述式の場合:

  • 配点の高い問題から解く(必ずしも順番通りに解かない)
  • 部分点を狙える問題は必ず途中式を書く
  • 完答できない問題でも、分かる部分だけは確実に書く

ケアレスミス対策——見直しルーチンの作り方

ケアレスミスは「気をつける」だけでは減りません。具体的なルーチンを作ることが必要です。

  • 解く時のルール:計算用紙の使い方を統一する、単位を必ず書く、選択肢番号は大きく丸で囲む
  • 見直しのルール:時間の最後5分は見直し専用、マークシートと問題用紙のチェックは必須
  • 自分の癖を知る:過去の模試・過去問で自分がどんなミスをしやすいか、リストアップしておく

模擬本番でのシミュレーション

直前期には、少なくとも1回は本番と全く同じ環境での通し練習をしてください。

  • 試験開始時刻と同じ時間に起床
  • 会場までの移動時間も計算に入れる(遠い場合は実際に下見に行く)
  • 昼食も本番で食べる予定のものを食べる
  • 1日に複数科目を連続で解く(体力・集中力の持続を確認)

以前、このシミュレーションをしなかった生徒が、本番で2科目目以降に集中力が切れて失敗したケースを見ました。逆に、しっかり練習した生徒は本番でも落ち着いて力を発揮できています。


合格最低点に届かない受験生が直前期にやるべきこと

過去問で合格最低点に届いていないと、どうしても焦りますよね。でも、ここで大事なのは「全体の点数を上げよう」と考えないことです。

「取れる問題を確実に取る」方針

直前期の修正は、足し算ではなく引き算です。

新しい知識を詰め込むよりも、今できているはずなのに落としている点数を拾うことに集中してください。

科目ごとの具体例:

  • 英語:単語の意味が曖昧で文脈判断ミス→頻出単語だけ最終チェック、長文は段落ごとの要旨をメモしながら読む習慣づけ
  • 数学:計算ミスが多い→見直し時間を確保、途中式を丁寧に書く、検算の習慣
  • 国語:記述が部分点どまり→解答の型を確認(問いに対して結論→理由の順)、字数配分の練習
  • 理科:知識問題の取りこぼし→頻出事項の一問一答を毎日30分、計算問題は公式の確認と単位換算
  • 社会:暗記の穴→過去問で間違えた用語だけをノートにまとめて毎朝確認

徹底した基礎固めの実践

直前期だからこそ、基礎の確認が重要です。

  • 公式や基本事項を声に出して確認する(視覚だけでなく聴覚も使う)
  • 過去問で間違えた基礎問題だけを集めた「弱点ノート」を作る
  • 朝の時間を使って、前日に間違えた問題を解き直す

大事なのは、取れない問題を減らすよりも、取れる問題を落とさないことです。

メンタル・体調の回復

どんなに勉強しても、体調が悪ければ本番で力は出せません。

  • 睡眠:最低6時間、できれば7時間は確保。夜型の人も、試験時刻に合わせて朝型に調整
  • 食事:朝食は必ず食べる。試験当日に食べる予定のものを、今から試しておく(お腹を壊さないか確認)
  • 休憩:1時間勉強したら5〜10分休憩。スマホは見ない(脳が休まらない)

 

模試の判定が悪くても受かる子の共通点

模試でC判定やD判定が続いていても、本番で合格する生徒は毎年たくさんいます。

判定を"情報"として使う方法

模試の判定は、合格を保証するものでも、不合格を確定するものでもありません。あくまで「現時点での統計的な可能性」です。

重要なのは、判定そのものではなく、模試の結果から何を学ぶかです。

  • どの分野が弱いのか
  • どの問題形式で失点しているのか
  • 時間配分は適切だったか
  • ケアレスミスのパターンは何か

これらを分析して、戦略を調整する材料として模試を使ってください。

ちなみに、模試と本番では問題の質や受験者層が異なります。特に学校別模試以外の一般的な模試は、あくまで参考程度に留めるべきです。

逆転合格する生徒の行動パターン

毎年、模試判定が悪くても合格していく生徒を見ていると、いくつかの共通点があります。

  1. 練習の質が高い

    • ただ解くだけでなく、必ず分析と改善をセットにしている
    • 同じミスを繰り返さない仕組みを作っている
  2. 弱点の直し方が具体的

    • 「英語が苦手」ではなく「英語長文の段落要旨把握が苦手」と特定できている
    • 対策も具体的(例:毎日1題、段落ごとに要約メモを取りながら読む)
  3. 本番に強いメンタル

    • 模試の判定に一喜一憂せず、「本番で出し切ればいい」と割り切れている
    • 適度な緊張を集中力に変えられる
    • 失敗を引きずらない切り替えの早さ
  4. 最後まで志望校への気持ちがブレない

    • 周囲の声や判定に惑わされず、「ここに行きたい」という思いを持ち続けている

以前、12月の模試でD判定だった生徒が、「絶対にこの大学に行きたい」と言って最後まで諦めず、見事合格したことがありました。彼女は判定を気にするより、毎日の復習と弱点つぶしを淡々と続けていました。


共通テスト(マーク式)対策の実践ポイント

共通テストはマーク式のため、独自の対策が必要です。

マークミス防止ルール

マークミスは本当にもったいないです。以下のルールを徹底してください。

  • 2重チェック法:問題冊子に解答番号を書く→マークシートに塗る→もう一度問題冊子と照合
  • 大問ごとにチェック:大問1が終わったら、その部分だけ必ず確認してから次へ
  • マークは丁寧に、でも速く:塗りつぶしは濃く、はみ出さないように。練習で速度を上げる

マーク方式固有の得点戦略

捨て問の判断:

  • 共通テストは時間との戦い。難問に5分以上かけるのは危険
  • 迷った問題は印をつけて飛ばし、全問一通り解いてから戻る

推測ルール:

  • 完全に分からない問題でも、白紙で出すのは避ける
  • 選択肢を2つまで絞れたら、自分なりの判断基準で選ぶ(例:数学は選択肢を逆算、英語は文脈から推測)

私立志望者の共通テスト対策

私立大学が第一志望で、共通テストは滑り止めや共通テスト利用入試のみの場合、無理に手を広げる必要はありません

  • 主要科目(英語・国語・数学または社会)に絞る
  • 配点の高い科目を優先
  • 絶対に浪人したくない場合、共通テスト利用を諦めて私立一般に集中するのも一つの選択

ただし、共通テストで一定の得点が取れると選択肢が広がるので、志望校の共通テスト利用入試のボーダーラインを確認してから判断してください。


国公立二次・私立一般対策の重点配分

まずは主要3科目を固める

国公立志望でも私立志望でも、英語・数学(文系は国語)・理科(または社会)の主要3科目が合否を分けます。

特に配点が高い科目は、他の科目の2倍の時間をかけても良いくらいです。

  • 英語:長文読解が最重要。単語・文法は必要最低限を確認し、長文演習に時間を使う
  • 数学:典型問題のパターンを完璧に。奇問・難問は捨てる
  • 国語(現代文):解答の型を確認。記述問題は過去問の模範解答を写して型を覚える
  • 理科:計算問題の解法パターン確認、知識問題は頻出事項だけ
  • 社会:過去問で頻出の時代・分野を特定し、そこを重点的に

大学別の配点把握と重点配分

志望校によって配点は大きく異なります。

例えば、ある大学では英語が200点、数学が100点という配点の場合、英語に時間をかける方が効率的です。

配点や出題傾向は、必ず各大学の募集要項や過去問の傾向分析ページで確認してください

過去問は直近5年分を重点的に

入試問題は時代とともに変化します。10年前の過去問より、直近5年分を繰り返す方が効果的です。

  • 傾向が変わっている可能性がある
  • 新しい出題形式に対応できる
  • 時間配分も最新の傾向に合わせる

保護者向け:直前期の関わり方

直前期、実は一番つらいのは保護者の方かもしれません。でも、ここでの関わり方が、受験生の結果を大きく左右します。

やるべきこと(環境整備・精神的サポート)

①体調管理のサポート

  • 栄養バランスの取れた食事を用意する
  • 夜食を用意する(軽めのもの)
  • 体調の変化に気を配る

②学習環境の整備

  • 静かな環境を保つ(テレビの音量を下げる、兄弟姉妹に配慮を頼む)
  • 暖房・照明を適切に管理
  • 文房具や参考書の補充

③精神的な支え

  • 「いつも通り」を心がける(特別扱いしすぎない)
  • 「頑張って」よりも「応援してるよ」「大丈夫だよ」という言葉
  • 話を聞いてあげる(アドバイスではなく、共感)

④スケジュール管理の補助

  • 受験日程の確認(受験票、時間割、持ち物チェック)
  • 会場までの交通手段の確認(遅延対策も考えておく)
  • 宿泊が必要な場合の手配

やめるべきこと(点数詮索・過度の叱咤)

①点数を詮索する

  • 「今日の過去問は何点だった?」と毎日聞くのはNG
  • 点数は本人が一番気にしています

②他の受験生と比較する

  • 「○○さんの子はA判定だって」「兄弟の時はもっと…」は禁句
  • 比較されると自信を失います

③過度な励ましやプレッシャー

  • 「絶対合格しなさい」「お金をかけたんだから」などの言葉
  • 「頑張れ」の連発も逆効果

④勉強法への口出し

  • 「もっとこうすれば」「なんでこのやり方なの」
  • 本人なりの方法を信じてあげてください

具体的な声かけ例とNG例

【良い声かけ】

  • 「今日も頑張ってるね」「応援してるよ」
  • 「何か手伝えることある?」
  • 「休憩したら?お茶入れるよ」
  • 「どんな結果でも、あなたの頑張りは知ってるから」

【NG例】

  • 「まだ勉強してないの?」
  • 「このままで大丈夫なの?」
  • 「○○大学じゃないとダメよ」
  • 「浪人は許さないからね」

よくある質問Q&A

Q1. 直前期に新しい参考書に手を出すのは危険ですか?

A. 原則として、新しい参考書には手を出さない方が良いです。今まで使ってきた教材を復習する方が効率的です。ただし、過去問で明らかに知識不足が判明した場合(例:古文単語がほとんど分からない)、薄い参考書を1冊だけ追加するのは有効です。

Q2. 過去問は何年分解けば十分ですか?

A. 最低5年分、できれば7〜10年分解くのが理想です。ただし、ただ解くだけでなく、復習と分析をセットで行うことが重要です。10年分を雑に解くより、5年分を丁寧に分析する方が効果的です。

Q3. 共通テストと二次試験、どちらを優先すべきですか?

A. 共通テストまでは共通テスト対策を優先し、共通テスト後は即座に二次試験対策に切り替えてください。共通テスト前に二次試験対策をするのは、よほど余裕がある場合のみです。ただし、記述の感覚を完全に失わないよう、週に1回は記述問題に触れておくと良いでしょう。

Q4. 模試の判定がD・E判定でも志望校を変えない方がいいですか?

A. 一概には言えませんが、以下の点を考慮してください:①本人の志望度(本当にその大学に行きたいか)、②弱点が特定できて対策可能か、③浪人覚悟があるか。これらを家族で話し合って決めてください。ただし、現実的な併願校も必ず確保しておくことが重要です。

Q5. 試験前日は何をすれば良いですか?

A. 新しいことは一切やらず、今まで使ってきたノートや参考書の総ざらいをしてください。特に、自分がよく間違える箇所、公式、重要事項の確認。そして、早めに寝ることが最優先です。徹夜は絶対に避けてください。

Q6. 本番で緊張してしまいます。どうすればいいですか?

A. 緊張は悪いことではありません。適度な緊張は集中力を高めます。深呼吸を数回する、「緊張するのは普通だ」と自分に言い聞かせる、試験開始前に手をグーパーして体をほぐす、などの方法が有効です。それでも不安が強い場合は、模擬試験を本番と同じ環境で行い、緊張に慣れておくことをお勧めします。


まとめ

大学受験の直前期に不安になるのは当然です。でも、今からでもできる調整は確実にあります

重要なのは、新しいことを詰め込むのではなく、今持っている力を確実に出し切る準備をすること。取れる問題を落とさない、時間配分を最適化する、ケアレスミスをなくす——こういった「引き算の調整」が、直前期には最も効果的です。

模試の判定や過去問の点数に一喜一憂せず、やるべきことを淡々とこなしていく。そして、保護者の方は過度な干渉を避け、環境を整え、温かく見守る。

最後まで伸びる受験生は、「正しい直前期」を過ごしています。焦らず、でも油断せず。一歩ずつ前に進んでいきましょう。

あなたのこれまでの努力は、必ず力になっています。あとは、その力を本番で出し切るだけです。応援しています。



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