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「もう無理」と言い出した大学受験生に、予備校講師が本当にかけている言葉
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大学受験直前期、結果を分けたのは「学力」ではなかったと感じた話
大学受験の直前期になると、毎年決まって同じ相談が増えます。
「急にやる気がなくなった」「もう無理かもしれないと言い出した」「成績が下がっている気がする」。
私は大学受験予備校で長年指導をしていますが、ある年、模試でA判定を出していた生徒が、直前期に入ってから急に答案を書けなくなったことがありました。質問に来る回数も減り、表情も硬くなっていった。
最終的に彼は志望校に合格しましたが、後から振り返って本人が言ったのは「一番きつかったのは、勉強内容より気持ちだった」という言葉でした。
この経験を通して、私は何度も「結果を分けたのは学力ではなかった」と感じています。
「もう無理」と言い出した受験生に、予備校講師が本当にかけている言葉
直前期に「もう無理」「間に合わない」と口にする受験生は珍しくありません。
その背景には、疲労の蓄積、不安、周囲との比較、睡眠不足、情報過多などが重なっています。
そんなとき、私たち講師がかける言葉は、意外とシンプルです。
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「今、何が一番しんどい?」
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「ここまでやってきた事実は消えないよ」
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「今日は“できなかった”より“できたこと”を3つ挙げてみよう」
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「今の不安は、真面目にやってきた証拠だよ」
無理に前向きにさせようとせず、まず感情を受け止め、事実に戻す。それだけで表情が和らぐ生徒も多いです。
これはあくまで私が現場で見てきたケースですが、「気持ちが落ち着くと、手が自然に動き出す」場面を何度も見てきました。
直前期に成績が下がる受験生の共通点【 akamon labではこう立て直す】
直前期に不調に見える生徒には、いくつか共通点があります。
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新しい教材に手を出しすぎる
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睡眠時間が極端に短い
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1問に固執して時間配分を崩す
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他人の進捗を気にしすぎる
akamon labでは、こうした兆候が見えた場合、まず「やることを減らす」指導をします。
新しいことは入れず、できる問題を確実に解く練習に戻す。過去問も、完璧を目指すのではなく「取るべき問題を落とさない」視点に切り替えます。
親御さんが焦って「もっとやらせた方がいいのでは」と感じる気持ちも理解できますが、詰め込みは逆効果になることも少なくありません。
不調期はインプット過多になっており、アウトプットが足りていないケースがほとんど、売り上げを気にする予備校は冬期講習などでガンガン授業を取るように勧めますがそれでは本当に受験生のためになっているとはいいがたいのです。
「親の一言」で好転したケース、苦しくなったケース
ある生徒は、模試後に落ち込んで帰宅した際、親から
「ここまでよく頑張ってきたね。この模試が悪かったとしても今までやってきたことは消えたわけじゃない。今日は早く寝よう」
と言われたことで気持ちが切り替わったと言っていました。
一方で、別の生徒は
「この点数で本当に大丈夫なの?私が受験生のときはもっと寝る間も惜しんで勉強してたよ」
という何気ない一言が引っかかり、その後数日間、集中できなくなってしまいました。
親の言葉は、意図せず受験生の不安を増幅させることもあります。評価よりも「状況を見ている」「味方でいる」という姿勢が、直前期には特に重要です。
結果をみてあれこれ言うことは誰にでもできます。親がすべきは過程を見てそこを評価してあげることなのです。
受験が終わってから、予備校講師として親に伝えたかったこと
合否が出た後、面談をした際多くの親御さんが「もっと何かできたのでは」と振り返ります。
しかし、私はいつも思います。結果に関わらず、最後まで見守ったこと自体が、受験生にとって大きな支えだったと。
受験は一度きりのイベントではありますが、その過程で「信頼されていた」「応援されていた」という記憶は、その後の人生にも残ります。
直前期の保護者の関わり方
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点数や判定を毎回聞かない
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食事の栄養バランスと睡眠のリズムを整える
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声かけは短く肯定的に
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「体調どう?」
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「なにか食べたいものある?」
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「応援してるよ」
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試験当日の送り出しも、「頑張って」より「行ってらっしゃい」「いつも通りで大丈夫」といった言葉が向いています。
よくある質問(FAQ)
Q. 模試の点数が下がったらどうする?
A. 原因を一緒に整理し、やることを減らすのが基本です。できなかった問題がこの時点でわかってよかったとプラスにとらえましょう。
Q. 夜遅くまで勉強していい?
A. 短期的には安心感がありますが、睡眠不足は集中力を下げます。大学受験は長期戦です。定期テストのような一夜漬けをしても効果はありません。
Q. 親はどこまで口出しすべき?
A. 大学受験では管理より「環境づくり」に徹する方がうまくいくケースが多いです。
まとめ
大学受験の直前期は、学力以上にメンタルと家庭の空気が影響します。
親は完璧である必要はありません。受験生にとって「味方がいる」と感じられることが、最後の踏ん張りにつながります。
もし不安や不調が深刻な場合は、学校や専門機関に相談することも選択肢の一つです。
筆者プロフィール
akamon lab大学受験専門予備校講師。指導歴20年。現役生・浪人生の二次試験対策および直前期メンタルサポートを担当。
(akamon lab) 2025年12月17日 18:55
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