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【共通テスト数学2B】9割狙える!「70分時代」を制する分野別対策と高得点戦略

 

【共通テスト数学2B】9割狙える!「70分時代」を制する分野別対策と高得点戦略

多くの受験生が「最難関」と恐れる共通テスト数学2B。試験時間が60分から70分に延長されたものの、平均点は依然として伸び悩んでいます。

それはなぜか?

答えはシンプルです。共通テストは、センター試験時代のような「計算スピード勝負」ではなく「数学的な読解力と思考プロセス」を問う試験に変貌したからです。

しかし、恐れる必要はありません。正しい戦略で対策すれば、数学2Bは安定した高得点源になります。この記事では、9割以上を目指すための分野別対策と、新傾向の核心を徹底解説します。


 

① 分野別対策:ここで差がつく!「解き方」の核心

 

共通テスト数学2Bは、第1問・第2問が必答、第3〜5問から2問選択です。それぞれの「狙われ方」を理解しましょう。

 

〈第1問〉三角関数、指数・対数関数

 

この分野の鍵は「定義の理解」「グラフの活用」です。

  • 三角関数: sin, cos, tanの定義(単位円上の座標)を曖昧にしていませんか? 加法定理や合成を丸暗記するだけでなく、「なぜその公式が成り立つのか」を図形的に理解しているかが問われます。特に、グラフの平行移動や周期の把握は必須です。

  • 指数・対数関数: ここでもグラフが重要です。底の値(a>1 か 0<a<1 か)によるグラフの形状変化、大小比較、桁数・小数首位の問題は頻出。単なる計算問題ではなく、対数(\log)が持つ意味を理解していると、会話文形式の問題にも対応できます。

対策:公式の丸暗記を卒業し、教科書の章末問題レベルを「なぜそうなるか」説明できるように深く理解しましょう。

 

〈第2問〉微分法・積分法

 

数学2Bの最重要分野であり、最も計算量が要求される大問です。

  • 微分法: 接線の方程式、関数の増減(最大・最小)がメインです。特に、文章で与えられた状況(例:箱の体積の最大化)を自分で立式し、定義域を考えながら解く力が求められます。

  • 積分法: 面積計算が中心です。⅙ 公式などは絶対にマスターしてください。これを知らないと、時間がいくらあっても足りません。共通テストでは、文字係数を含む面積計算や、2つの放物線で囲まれた面積など、計算が複雑になりがちです。

対策:計算のスピードと正確性が命です。⅙ 公式などの面積公式は、導出過程も含めて完璧に使いこなせるよう、徹底的に練習しましょう。

 

〈第4問〉数列

 

センター試験時代とは最も傾向が変わった分野の一つです。

  • 傾向: 単純な等差・等比・階差数列の一般項を求める問題は減りました。代わりに、「問題文で与えられたルール(漸化式)を読み解く」問題が主流です。

  • 具体例: 「箱の中の玉の移動」「人口の推移」など、具体的なシチュエーションを読み解き、自分で漸化式を立てる(あるいは、立てられた漸化式を理解する)力が試されます。

  • ポイント: a_{n+1} = pa_n + q 型の解法を覚えるだけでなく、n=1, 2, 3と具体的に書き出して、その場でルールを把握する「実験的な思考」が非常に有効です。

対策:誘導(会話文)に素直に乗る練習を積んでください。過去問や予想問題集で、初見のルール設定に慣れることが高得点の鍵です。

 

〈第5問〉ベクトル

 

空間図形への苦手意識から避ける人もいますが、実は最も誘導が丁寧な大問です。

  • 傾向: 図形的なセンスよりも、「機械的な計算処理能力」が問われます。

  • 重要ポイント:

    1. 内積の活用: 角度(特に垂直=内積0)や線分の長さを求める計算をマスターすること。

    2. 位置ベクトルの基本: 始点を統一し、内分・外分の公式を使いこなすこと。

    3. 共線条件・共面条件: 「{OP} ={OA} + t{OB} + u{OC}(ただし s+t+u=1)」などの定義を正確に運用すること。

対策:空間ベクトルで混乱する人は、まず平面ベクトルを完璧にしましょう。計算ルールは同じです。ベクトルは「解法がワンパターン」な問題が多く、練習量がそのまま点数に直結します。

 

〈第3問〉確率分布・統計的な推測

 

多くの現役生が履修漏れや演習不足で避ける分野ですが、実は「逆転の切り札」です。

  • 選択するメリット:

    1. 計算が軽い: 数列やベクトルに比べ、複雑な計算が少ない。

    2. パターンが明確: 出題範囲が限定的(正規分布、二項分布、信頼区間、仮説検定)で、対策が立てやすい。

    3. 得点が安定しやすい: 問題の難易度にブレが少なく、対策すれば満点も狙いやすい。

  • デメリット:

    1. 用語の暗記が必須: 「信頼区間」「標準偏差」「有意水準」など、特有の用語を正確に理解していないと手も足も出ない。

    2. 文章が長い: 問題文が長く、状況把握に時間がかかる。

対策:学校で習っていなくても、専用の参考書1冊を仕上げれば十分間に合います。「数学が苦手だが、用語の暗記は苦ではない」という人には、数列やベクトルより高得点が狙える隠れボーナスステージです。


 

② 試験時間は70分に増えた影響:なぜ平均点は上がらない?

 

試験時間が60分から70分に増えたのは、受験生を楽にさせるためではありません。

これは、「単純な計算だけでなく、問題文を読んで状況を理解し、方針を立てる『思考時間』を設けた」というメッセージです。

センター試験時代は「知っている解法パターンを瞬時に引き出す」スピード勝負でした。しかし共通テストでは、

  1. 長い会話文や設定を読み解く

  2. 会話から解法のヒントを掴む

  3. 複数の分野にまたがる(ように見える)問題の本質を見抜く

といった「数学的な思考体力」が求められます。70分への延長は、この思考時間を確保するためであり、問題の質が「重くなった」ことの裏返しなのです。


 

③ 問題の性質から「共通テスト」はセンター試験より実力差が大きく出る

 

「マーク式だから、実力差は出にくい」というのは大きな誤解です。共通テストは、センター試験よりも残酷なまでに実力差がハッキリ出る試験です。

  • センター試験: 解法パターンを暗記し、計算速度を鍛えれば、8割程度までは到達可能でした。

  • 共通テスト: 解法を丸暗記しているだけの生徒は、問題の「導入(最初の会話文)」でつまずきます。

例えば、数列の問題で、太郎さんが n=1, 2, 3 と実験している場合、解法パターン暗記型の生徒は「早く一般項を求めさせろ」と焦ります。しかし、高得点を取る生徒は「この実験にこそ、漸化式を解くヒントが隠されている」と読み解きます。

「付け焼き刃の暗記」が通用しないのです。

公式や解法の「本質」を理解し、それを初見の問題に応用できる生徒だけが高得点を取り、暗記だけで乗り切ろうとする生徒は誘導についていけず大失敗する。これが、共通テストで平均点が上がらず、高得点層と下位層の二極化が進む理由です。


 

まとめ:数学2Bを制する者は、受験を制す

 

共通テスト数学2Bは、単なる「計算テスト」から「数学的読解と思考力のテスト」へと進化しました。

  1. 分野別対策:計算練習(微分積分)と、定義の理解・誘導の読解(三角関数・数列・ベクトル)を両立させる。

  2. 70分の使い方:焦って計算しない。問題文と思考のプロセスにこそ時間をかける。

これからの演習では、「答えが合っていた」だけで終わらせず、「なぜその解法を選んだのか」「誘導(会話文)はどのヒントになっていたか」を必ず振り返ってください。


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