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大学受験の過去問演習はいつからやるべき?:効果的な学習法と注意点

大学受験の過去問演習はいつからやるべき?:効果的な学習法と注意点

① 過去問演習を始めるタイミング

受験勉強のゴールを明確にするために、できるだけ早い段階で過去問に取り組むのが理想です。遅くとも10月末までには過去問演習を始めたいところです。例えば、私立志望の場合、10月中旬の模試で現状を把握し、10月末には志望校の過去問を手に入れて11月から演習を進めるのが一般的なスケジュールです。逆に直前期に駆け込みで過去問に手をつけると、時間が足りず焦ってしまう原因になります。「受験直前に過去問を始めよう」と考えず、早めに入手・演習を始めることが大切です。実際、早い段階で過去問を解いて「何が足りないか」を可視化することで、残り期間の学習計画も立てやすくなります

スケジュール例
11~12月:滑り止め・実力相応校の過去問を演習開始。
1~2月:第一志望校の演習を2周目・3周目。
2~3月:入試本番。

② 過去問演習はどのレベルの学校から取り組むべき?

過去問演習の着手順序については、段階的に進めるのが望ましいです。最初から難関校(チャレンジ校)の過去問だけに取り組むと得点が伸びず挫折しやすいため、まずは安全校・練習校(すべり止め)で問題形式に慣れることから始めましょう。その上で実力相応校、最後にチャレンジ校へと順にステップアップしましょう。例えば私立理系で第一志望を早稲田・慶應とすると、実力相応はMARCH、滑り止めには私立工系大学(「四工大」や日大など)を設定するでしょう。この場合、まずは滑り止め校の過去問で解法パターンを身につけ、次にMARCHを、最後に早慶の過去問へと取り組むと心理的にも安定して学習できます

過去問演習:まず滑り止め校(安全校)→次に実力相応校→最後にチャレンジ校

③ 過去問は何年分やるべきか

志望校のレベルによって目標とすべき過去問の年数は変わります。目安として、難関校を第一志望とする場合は約5年以上(私立なら10年程度)、第二・第三志望は約5年分、さらに滑り止め校は1~3年分ほど解きましょう。

ただし年数にこだわるより「実力が合格レベルに達するか」が重要です。過去問題集はたくさん解けばよいわけではなく、最近の傾向を中心に重点的に学ぶのが有効です

過去問は一度解いて終わりではなく、間違えた問題は徹底的にやり直しましょう
数学では複数単元を跨ぐ問題を、英語では長文や文法問題を何度も解き直して苦手分野を克服します同じ年度の問題を繰り返し解くことで、大学ごとのクセや頻出パターンに慣れることができますなお、理系科目は扱う範囲が多いため演習量が多くなる傾向があり、文系では読解・記述量が多くなる点がやや異なりますが、基本的な過去問演習の考え方に大きな違いはありません。

④ 過去問演習はちゃんと時間を測るべき?

過去問演習に慣れるまでは、最初から本番時間にこだわらなくても構いません。最初のうちは時間無制限(あるいは1.5倍の制限時間)で解いてみて、知識の不足箇所や問題への対応力を確認しましょう。知識不足か時間不足かを判別するために、例えば「解答時間を1.5倍にしても合格点に達しないなら知識不足」といった手法もあります。基礎が固まって問題に慣れてきたら、次第に科目ごとに実際の試験時間で演習してみましょう。最終的には入試直前期に本番と同じ時間配分・日程で全科目を通しで解く練習を行います。例えば入試が2日間にわたる場合は、実際の試験日程と同じように休憩時間も含めて過去問演習を組み、時間配分と本番の雰囲気に慣れておくのが有効です。
①最初は時間を気にせず問題を解いて弱点を洗い出す
②徐々に時間を計って演習し、解けない問題や時間配分を見直す
③入試直前は本番環境で通し演習し、時間内に余裕を持って解き切れるようにする

⑤ 過去問演習のメリットとデメリット

過去問演習には明確なメリットがあります。代表的な効果として、出題傾向や問題形式への慣れ、時間配分感覚の習得、苦手分野の発見などが挙げられます。実際、「過去問は弱点発見ツール」とも言われ、自分の理解不足な部分がはっきりします。志望校の典型問題や出題形式を知ることで、重点学習すべき項目が分かり、自信を持って本番に臨めるようになります。一方で注意点もあります。過去問を繰り返し解く中で問題文や解答を「暗記」してしまい、本質的な理解がおろそかになってしまう恐れがあります。また、過去問だけに依存すると出題範囲が偏る可能性もあります。例えば最近3年間で多く出題された分野ばかりに偏ってしまい、新傾向や変化に弱くなることもあるため、教科書・問題集による幅広い学習も併用すべきです。さらに、過去問で高得点を取れたからと言って過信しすぎると、本番で予想外の難問に当たった際に対応できない危険がありますし、逆に十分な実力が伴っていない状態で難易度の高い問題に挑むと挫折感を味わうこともあるため、適切なレベル設定と振り返りが欠かせません。
メリット: 出題傾向の把握や知識定着の確認
デメリット: 応用力が育ちにくい、 過去問だけでは最新出題に対応できない過信による油断や実力不足による不安

⑥ まとめ

大学受験の過去問演習は、早めのスタートと段階的な取り組みがカギになります。まず10月末を目安に基礎学力が固まった科目から始め、滑り止め→実力相応→チャレンジ校の順で進めましょう。演習年数は志望校レベルに応じて調整し、例えば第一志望校なら5年(あるいは10年)分はじっくり解いておきたいところです。また、問題を解くだけで終わらせず、必ず解き直しを行って弱点を克服しましょう。時間管理については、最初は制限時間に縛られずに内容確認を優先し、慣れてきたら本番と同じ時間で演習します。こうして過去問を適切に活用すれば、出題傾向の理解が深まり自信をつけることができます。

 

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