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推薦入試(学校推薦型選抜・総合型選抜)が「ずるい」「不公平」と言われる理由

推薦入試(学校推薦型選抜・総合型選抜)が「ずるい」「不公平だ」と言われる背景には、主に**「選抜方法の透明性」「学力の担保」「受験生の心理」**の3つの側面で、一般入試と比較して感じる差異や不満があります。

特に指定校推薦に対して、この意見が強くなる傾向があります。


 

1. 「実力」と「評価基準」に関する不満

 

 

A. 実力以上の大学に「簡単」に入れるという感覚

 

これが「ずるい」と言われる最大の理由です。

  • 一般入試との難易度差

    一般入試では合格が非常に難しいとされる難関大学であっても、指定校推薦などの推薦枠を使えば、一般受験生よりも低い学力(偏差値)で合格できてしまうケースがあります。

  • 学力不足への懸念

    推薦組は、一般入試のような厳しい競争をくぐり抜けていないため、「入学後の学力レベルが低いのではないか」という偏見や懸念を持たれやすいです。しかしながら推薦組が留年するということは意外と少なくうまいこと卒業までこぎつけることがほとんどです。

  • ほぼ落ちることがない
    大学の入試ならば一般入試で落ちることはよくありますよね。A判定が出ていても当日のテストができなければ問答無用で不合格です。しかし指定校推薦は学校内での競争さえ勝ち抜けば絶対に合格することができます。この精神的な安定が不安定な受験生たちを駆り立ててしまうのでしょう。

B. 評価基準の不透明性・客観性の低さ

 

一般入試の「当日の一斉テストの点数」という明確な評価基準に対し、推薦入試の評価は客観性に欠けると感じられることがあります。

  • 評定平均の重要性

    学校推薦型選抜では、高校3年間の成績(評定平均)が重視されますが、これは学校や先生によって評価の厳しさが異なるため、公正さに欠けるという意見があります。

  • 面接・書類の曖昧さ

    面接や志望理由書、活動実績などは、評価する側の主観が入りやすく、点数化が難しいため、「何を基準に合否が決まったのかわからない」という不透明感が不公平だと感じられます。


 

2. 「時期」と「努力」に関する受験生の心理

 

 

A. 合格時期の早さによる不公平感

 

推薦入試の選抜は秋~冬の早い時期に行われるため、一般受験生が最もつらい受験直前期に、推薦合格者は既に進路が確定し、余裕をもって過ごしています。

  • 一般受験生の心理:

    「自分たちが一生懸命勉強している横で、推薦組は遊んでいる(または遊んでいるように見える)」と感じ、努力の差に対して、結果があまりにも早く出ることへの不公平感や嫉妬心が生まれます。

 

B. 受験の機会の不平等

 

推薦入試、特に指定校推薦は、すべての高校にあるわけではありません。

  • 高校間の格差:

    指定校推薦の枠は、大学によって特定の高校にしか与えられないため、高校のブランド力や過去の実績によって、そもそも受験できるチャンスがあるかどうかが決まってしまいます。このスタートラインの不平等さが、制度的な「ずるさ」として指摘されます。


 

推薦入試制度の意義

 

大学側が推薦入試を導入・拡大しているのは、単に受験生を楽させるためではなく、以下のような一般入試では測れない評価軸を重視しているからです。

  1. 多面的な評価:

    学力試験だけでは測れない「学習意欲」「主体性」「思考力・表現力」「協調性」など、人物としての総合的な適性を評価できます。

  2. 早期の確保:

    一般入試よりも早い段階で、大学が求める学生像に合致した熱意ある学生を確保できます。

  3. 高校生活への努力を評価:

    評定平均を重視する学校推薦型選抜は、高校3年間コツコツと努力を継続した姿勢を評価する制度であり、この努力は一般入試の「一発勝負」の学力とは異なる、別種の努力であると擁護されます。

「ずるい」という感情は、一般入試の過酷な競争を経験している受験生にとっては自然なものですが、推薦入試は「学力試験の点数偏重」ではない、多様な人材の確保という大学側の理念に基づいて設計されている側面もあります。


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