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MARCH合格を狙うための物理対策ガイド -- 夏以降に差をつける実践プラン

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MARCH合格を狙うための物理対策ガイド — 夏以降に差をつける実践プラン

理系志望で「MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)」の理系学部を目指すなら、物理は得点源になり得る科目です。ここでは「伸びる勉強のやり方」「必須の出題分野」「解法スキル」「演習の回し方」まで、実戦的にまとめました。受験本番で点を取るための工夫を中心に、今日から使えるテクニックを紹介します。


全体像:MARCH理系の物理で必要なこと

MARCH理系の物理で必要なのは、「基礎知識の堅固さ」「典型問題の手順化」「計算の精度とスピード」「答案での説得力」です。難問奇問で差をつけるより、典型で確実に満点近く取って合計得点を安定させるのが最短ルート。まずは出題頻度の高い分野を確実にして、そこから応用へ広げます。


主要分野(頻出順の目安)

各大学の差はありますが、MARCHレベルで頻出の分野は概ね次の通りです。まずはここを固めましょう。

  1. 力学(運動方程式・保存則・円運動・単振動)

  2. 波動(波の重ね合わせ・弦・音・光の基本)

  3. 熱力学・気体の法則(内部エネルギー・熱力学第1法則・状態方程式)

  4. 電磁気(静電場・静電容量・直流回路・磁場の基礎)

  5. 光学(幾何光学・干渉・回折の基礎)

  6. 原子・量子・相対論の基礎(短問で出ることがある)

数学力(微分・積分、ベクトル、三角関数、指数・対数)は不可欠です。公式を暗記するだけでなく、どの前提で使うかを理解しておきましょう。


勉強の段取り(原則 — 順序と重心)

  1. 概念の理解を最優先
    公式の「どこから来るか」を理解する。例えば運動量保存は「外力のモーメントが0だから」という成立条件を読み替えられるように。

  2. 典型問題を“手順化”する
    同じ類型の問題は解法の「型」を作る。条件の読み取り→図示→未知量の置き方→適用する法則→検算、という流れを習慣化。

  3. 演習でスピードと精度を鍛える
    解答時間を意識して数をこなす。初期は正確性重視、慣れてきたら時間制限を入れてスピード化。

  4. 過去問で“傾向把握”
    大学ごとに出題傾向は微妙に違う。MARCH各校の過去問で、どの分野・どの形式が多いかを把握して学習を微調整。


具体的な学習テクニック

図を書く習慣を徹底する

問題文を読んだら必ず図。力の向き、座標、作用反作用、矢印で流れを書くことで読み違えを減らせます。座標を自分で定めるクセをつけると式がラクに立つ。

単位を意識する

途中式で単位チェックをする癖をつければ、符号ミスや桁間違いが早期発見できます。最終答えが物理的におかしくないかを確認する重要な手段です。

近似・極限を扱えるようにする

小さな角度での近似(sinθ≈θなど)、高温・低温の極限挙動など、入試で使える近似の判断力は重要。いつ近似していいか、その誤差感覚も養いましょう。

公式は派生の過程とセットで暗記

公式だけ覚えるより、導出手順をノートに一回書いておく。導出が頭に入れば、問われ方が変わっても応用が利きます。

部分点を取りに行く答案作り

答案は読み手(採点者)に伝わるように。重要な式変形や仮定は明示し、途中式を残すことで部分点が得られやすくなります。ラストに簡単な検算を書いておくとなお良し。


問題演習の回し方(効率的サイクル)

  1. 学習→演習:新しい概念を学んだらすぐに関連問題を解く(定着の黄金則)。

  2. 解答の振り返り:間違えたら原因分類(読み間違え・公式の適用ミス・計算ミス・概念の誤解)をする。

  3. 類題で再テスト:間違ったパターンは必ず類題で再演習。24時間以内に1回、1週間後にもう1回が理想。

  4. 過去問で本番想定:志望校の過去問は「形式把握」と「時間配分訓練」に使う。最初は解法確認重視、慣れたら時間を計る。


問題別の攻略ヒント

運動方程式・保存則の問題

  • まず座標を定め、外力の有無をチェックする(外力が無ければ運動量保存、力学的エネルギー保存が使える可能性)。

  • 連結体問題は制約条件(距離関係、速度関係)を書き下すのが鍵。

単振動・波の問題

  • 位相や位相差を図で表す。位相差は時間差×角周波数で表現できる。弦や管の固有振動は境界条件で次数を決定。

熱力学

  • 状態変化の道筋(等温、断熱、等圧、等積)を明確にし、仕事、熱、内部エネルギーの流れを図で描く。PV図で面積を確認。

電磁気

  • 回路問題はKCL/KVL(接点と閉路)を地道に整理。静電容量や電場は境界条件と対称性を活用して解く。

光学

  • 幾何光学は光路図を描く。干渉は位相差の起点を明示、回折は近似公式や格子定数の扱い方を確認。
     

物理学で最も大切なことは図を描くことです。図を描かなくていい問題は存在しません。必ず図示して問題を解きましょう。面倒くさがっているうちは点数が伸びなくて当然です。


実戦で差がつく“細かい習慣”

  • 問題にかける時間の目安を決める(たとえば大問1つにつき20分目安など)。時間超過時の戦略(部分点狙い)を事前に作る。

  • 検算の3ステップ:概算値で桁感覚チェック → 単位確認 → 特殊ケース(極限)で整合性検証。

  • 誤答ノートを可視化:ミスをカテゴリ別に整理して、同じミスが出ないようにする。

  • 音読で公式を言えるように:自分で公式の意味を説明できるかを声に出して確認。


模試と過去問の使い分け

  • 模試:学力位置の把握と弱点抽出。本番前は直近の模試で時間配分の微調整を。

  • 過去問:志望校の形式に慣れるために必須。特にMARCHは問題形式や配点のクセがあるため、本番想定の演習を繰り返す。


夏にやるべき優先メニュー

  • 力学の典型(斜面、運動量保存、エネルギー保存)を完全にする。

  • 波動と単振動の問題を繰り返し、位相・振幅の扱いを自分のものにする。

  • 回路・静電の基本問題を計算ミスなく解けるレベルまで。
    (※各分野を「繰り返し→復習→類題」のサイクルで回すこと)


よくある失敗と対処法

  • 公式暗記だけで応用できない → 「導出の意味」をワンページでまとめる。

  • 計算ミスが多い → 筆算の癖をチェック、検算を必ず行う。焦らず落ち着いてそれでいてスピーディーに

  • 図を書かない → 9割の読み違えは図で防げる。必ず図を描く習慣を。


メンタルと当日の戦術

  • 本番は「普段の練習の80%を出せれば十分」。完璧を求めすぎず、まずは落ち着くこと。

  • 試験当日の物理は序盤の安定得点を意識。難問で固執せず、部分点を取ることを優先。


最後に — 継続が実力を作る

物理は「理解」と「反復」のバランスがすべてです。公式の丸暗記に終始せず、なぜそうなるのか、どの条件で適用できるのかを常に問いながら類題を回すこと。夏以降の短い時間で差をつけたいなら、典型を確実にし、ミスを徹底的につぶす――このシンプルな方針が結果につながります。


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