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大学の理系学部を目指す受験生向け:英語を「得点源」に変えるための実践的な攻略ガイド

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大学の理系学部を目指す受験生向け:英語を「得点源」に変えるための実践的な攻略ガイド
単語・文法の基礎固めから、長文処理力(速読+精読)、多読・多聴で鍛える英語処理回路、大学別の過去問対策、英作文・和訳の実戦技まで――理系受験に特化した観点で詳しく解説します。

 

なぜ理系は英語で差をつけられるのか(意識すべき出発点)

理系受験生は数学・理科に力を入れがちです。さらに英語は文系科目であり理数系の人にとっては苦手科目となってしまうことも多い悩ましい教科です。しかし英語はきちんと対策すればニガテが多い理系にとっては相対的に点数を伸ばしやすく、合否を左右する決め手になります。入試問題の長文は理系テーマ(科学記事・研究報告の要旨など)が増え、専門用語に慣れていると読みやすい一方、総合的な処理速度と正確さが高得点を生みます。理系だからこそ、英語で他の受験生と差をつける戦略が有効です。


1|最初の武器:単語+文法を「使える形」で固める

ポイント:単語は量(語彙数)だけでなく「使える形」で覚える。文法は長文で使えるレベルまで噛み砕く。

  • 単語の学び方:英単語は例文ごと覚える。意味→例文→同義表現→派生語の順でノート化し、能動的に使える状態にする(英作や音読で使う)。分野別(医・生系)語彙は過去問をベースに追加する。工学系も多少ありますが特別な対策はあまり必要にならないでしょう。医学部では特に学部専用の対策が必要になります。

  • 頻出語彙の目安:受験標準語彙(2,000語強)をベースに、大学別の専門語を100〜300語ほど上乗せするイメージ。

  • 文法の習得法:構文を丸暗記するのではなく、「なぜその語順で意味が通るのか」を日本語で説明できるまで落とし込む。時間をかけて例文で運用できるかを確認する。

  • 初期集中フェーズ:「単語+文法」を集中的に固める最初の期間は非常に重要(最初の3か月で基礎精度を上げると、その後の伸びが速い)。


2|長文(読む力)──速さと精度の両立を作る技術

理系の長文は「情報量が多く語彙が専門的」な場合があるため、読解技術の“二段構え”が有効です。

A)速読(ざっと掴む)技術

  • 構造把握のためのスキャニング:設問をさっと見てから本文に入る。何を問われるか意識した読みで不要な時間を削る。

  • パラグラフごとの要旨化:各段落を1行にまとめる習慣をつけると、筆者の論理展開が見えるようになる。

B)精読(深掘り)技術

  • 難所の構文解析:関係詞や分詞構文、倒置、挿入句といった構文をパーツに分けて図解する。難文は「主語+述語を先に見つける」だけで格段に解きやすくなる。

  • 選択肢を”本文に戻して検証”する癖:選択肢の言い換えを本文の根拠に当てはめて確認する。

  • 論理的根拠の見極め:因果・対比・例示・条件提示など、論理関係を識別して設問に結びつける。

※共通して「速読→精読」の往復を繰り返すと、速さと精度が同時に伸びます。参考書を使って長文の処理回数を増やしましょう。


3|多読・多聴(音読・シャドーイング)で英語処理回路を作る

科学的な素材を多読・多聴することが理系には特に効きます。英文を音で処理する習慣(音読・シャドーイング)を取り入れると、読む際に日本語へ戻らずに意味をつかめる“英語脳”が育ち、長文の処理速度が向上します。音声付きの英文で「目 + 耳 + 口」を使って学ぶのが効果的です。

実践法の例

  • 同じ長文を「音声付きでシャドーイング」→「スピードで1回読む」→「設問に答える」のサイクル。

  • 学術系ニュース(科学系の要旨)を英語で読み、重要語句を拾い出す訓練。
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4|問題形式別の具体戦術(長文・語法・整序・英作)

長文問題:設問タイプを分類(要旨把握/情報検索/推論/語句の意味)し、タイプ別に対処法を用意する。
語法・語彙問題:選択肢は文脈で絞る。派生語や前置詞との相性に注意。
整序(並べ替え)問題:文の接続関係と指示語(this, those, hence など)を頼りに本文全体の流れを想定する。
英作文・和文英訳:論旨を先に日本語で箇条書きにし、キーフレーズ(接続表現・論理語)をテンプレ化してから英文化する。短く論理的に。添削を受けて表現を磨く。


5|過去問と大学別傾向の読み方(合格力の設計)

過去問は「問題の器」を知るための必須ツールです。大学別に出題形式(長文の長さ・語彙の専門性・英作文の有無)を分類し、自分の学習重点を決めます。過去問活用はただ解くのではなく、「時間感覚」「設問のクセ」「配点に対する得点設計」を分析することが重要です。

実践チェックリスト

  • まずは制限時間なしで質を重視して解く → 解答の正確性を確保。

  • 次に時間を測って本番想定で解く → 時間配分を微調整。

  • 間違いはノートに記録(原因分類:語彙不足/読み違え/計算ミス/設問読み落とし)。


6|英作文・和訳は「論理構成」と「表現ストック」で勝つ

国公立の二次や一部の私大では英作文や和訳が差をつけるポイント。対策は二段階:

  1. 論理力の鍛錬:序論→理由→具体例→結論、の構成テンプレを用意し、与えられたテーマで素早くプロットを作る練習。

  2. 表現の蓄積:定型表現(it is widely believed that … / such a trend can be attributed to …)を表現ノートで蓄積し、場面別に取り出せるようにする。

添削は必須。自分の癖(語順ミス・冠詞忘れ・直訳癖)を可視化して潰していきましょう。


7|教材・ツールの賢い使い方(選び方)

  • 語彙:受験用語彙集を基礎に、志望校過去問から専門語を抽出して補強。

  • 長文演習:段階別(標準→上位)で問題集を選び、音声がある教材を優先。

  • 和訳・英作:過去問や添削付き教材で反復。自分の答案は必ず再提出して直す。

  • デジタルツール:音声プレーヤー、単語アプリ、オンライン添削サービスは効率化に有効。

(どの教材を選ぶかは志望校の水準に合わせ、深堀りできる一冊を“使い倒す”姿勢が大切です)


8|チェック&修正サイクル(PDCA)

  • 解く → 間違い分析(原因を分類) → 弱点補強(単語/構文/設問訓練) → 再テスト。

  • 2週間に一度は過去問を時間制で解き、得点の推移を記録して学習方針を微調整。


最後に──理系英語で押さえるべき3つの習慣

  1. 語彙は“例文単位”で定着させる(意味だけでなく用法で覚える) 。

  2. 多読+多聴(音読・シャドーイング)で英語処理速度を上げる

  3. 過去問分析で大学別の「勝ち筋」を作る(出題傾向に合わせた得点設計)。

英語は「量」と「質」の両方が効いてくる科目です。理系受験生は専門的な読解素材に慣れている強みを活かし、上の手法を積み重ねれば、確実に得点源へと変えることができます。


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