HOME > akamon lab ブログ > 大学受験理系の数学対策

akamon lab ブログ

< 共通テスト国語の特徴を理解する  |  一覧へ戻る  |  大学の理系学部を目指す受験生向け:英語を「得点源」に変えるための実践的な攻略ガイド >

大学受験理系の数学対策

理系大学入試で数学が占める比重は大きく、ここで差をつけられるかどうかが合格の分かれ目になります。この記事は「何を」「どう」学べば実戦で通用する数学力がつくかを、参考書の選び方から問題演習の進め方、得点力アップの具体技まで一挙にまとめた攻略です。志望校のレベルに関わらず使える普遍的な考え方を中心に、実践的な取り組み方を紹介します。


1|まずは“核”を固める ─ 基礎の完成がすべての出発点

理系数学は積み上げ型の科目。公式や解法パターンを「なぜ成り立つか」まで理解しておくことが必須です。教科書的な説明で納得したら、基礎~標準レベルの問題を繰り返して「手が自然に動く」レベルに落とし込みましょう。微分積分・線形代数(ベクトル)・数列・確率・複素数など各分野の基本定理や代表問題は、確実に自分のものにしてください。入試対策の“核”を作るために、網羅系の参考書を一冊徹底する手法は今も有効です。 


2|問題選びの鉄則 ─ 「一冊を極める」ことと段階的移行

書店には数多くの参考書がありますが、量に走ると中途半端になりがちです。最初は網羅系で基礎を固め、次に演習系(典型→応用→発展)の流れでレベルを上げるのが定石。例えば、網羅系で基礎を安定させた後に「解法の論理を磨く問題集」「入試レベルの良問集」「大学別過去問」に移行すると学習効率が高まります。演習書は“解き方の説明が腹落ちするか”を基準に選んでください。 


3|分野別の攻略ポイント(理系向け)

微分・積分

関数の性質の読み取り、極限と連続性、導関数を使った増減・極値、積分の応用(面積・体積・回転体など)が頻出。典型のアプローチを複数パターンで覚え、変形や置換の判断力を鍛えましょう。

数列・級数

漸化式の扱い、初項・公比から一般項を導く手順、収束判定の論理を徹底。数列と関数を結びつけるテクニック(極限と微分の絡み)も重要です。

ベクトル・図形

空間ベクトルは座標化の工夫が勝負。図に書き起こして対称性や直交条件を見つけ、内積や外積の利用を習慣化します。

確率・統計

場合の数の基礎→条件付き確率→期待値や分散の応用へ段階的に。問題文から“何を数えるべきか”を正しく抽出する訓練を重ねましょう。

各分野の典型題を「自分で説明できる」レベルまで分解しておくと、変形問題にも対応しやすくなります。 


4|過去問は“道具”として使い切る

志望校の過去問研究は不可欠ですが、ただ解くのではなく「出題意図を解析する」ことが目的です。最初は時間を気にせずに解いて解法を整理し、次に時間を計って本番対応力を鍛える──この二段階が有効。過去問からは「どの分野で差がつきやすいか」「採点上重視される論点は何か」が見えてきます。大学別の性質(計算量寄り/発想力寄り)を把握することが合格戦略の鍵です。 


5|解答力を支える“書き方”と検算習慣

理系入試では途中式が評価につながることもあります。解答は読み手(採点者)に伝わるように式の流れを明示し、要点となる変形や代入箇所にコメントを添える癖をつけましょう。また、単位や定数の扱い、極限の向き(+∞・−∞)などの扱いで落とすミスが多いので、検算(逆算や概算)を必ず行ってください。ミスを減らすだけで数点〜数十点が戻ります。


6|“解けない問題”への向き合い方

入試本番で出る問題は初見の形が多いものです。解けない問題に直面した際は、次の順でアプローチします:

  1. 条件を整理して図に落とす。

  2. 似た既知の問題に置き換えられないか探す。

  3. 仮定を付けて簡略化(例:特殊ケースでの挙動を見る)。

  4. 部分点を取るための書き方(途中式の残し方)を常に意識。
    この習慣が「攻略のアイデアを見つける力」を育てます


7|時間配分と得点設計の考え方

試験ごとに得点配分は異なりますが、共通して言えるのは「確実に取れる小問を最大化する」こと。難問に長時間かけて失点するより、短時間で確実に解ける問題を拾っていく戦略が現実的です。模試や過去問で「自分が解ける問題群」を把握し、本番はその領域で確実に得点する設計を作りましょう。共通テストと二次試験で求められる力は異なるので、両方の特性を踏まえた演習が必要です。 


8|おすすめ教材の“使い分け”例(目安)

  • 網羅型(基礎→標準):教科書+網羅参考書で理論を整理。

  • 演習型(標準~発展):標準問題集→良問集で解法の引き出しを増やす。

  • 記述・論理強化:「1対1対応の演習」などで答案の組み立てを学ぶ。

  • 過去問・予想問題:志望校の問題を中心に傾向対策。予想問題集は共通テスト対策にも有効。

参考書は“数”より“深さ”を重視して、一冊を腹落ちするまで使い倒すことを勧めます。 


9|日々の学習でやるべき具体アクション(チェックリスト)

  • 重要公式を「自分の言葉」で説明できるか確認。

  • 間違いノートを作り、同じミスは繰り返さない。

  • 典型問題を複数の視点で解いて“応用の幅”を確保。

  • 過去問は出題意図→解法の型→時間計測の順で攻略。

  • 模試は結果より「誤りの分析」に時間をかける。


10|まとめ──継続こそ最大の武器

数学の力は短期間の詰め込みではなく、日々の「小さな理解の積み重ね」で育ちます。目の前の問題を一つひとつ丁寧に分解し、解法の骨格を言語化していく作業を続けてください。理系数学は努力がほぼそのまま結果に結びつく科目。基礎を固め、典型を深め、過去問で本番力を磨く──この王道を愚直に続ければ、合格に必要な数学力は必ず身につきます。


< 共通テスト国語の特徴を理解する  |  一覧へ戻る  |  大学の理系学部を目指す受験生向け:英語を「得点源」に変えるための実践的な攻略ガイド >

このページのトップへ