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【偏差値・倍率UP】東京理科大学薬学部が都内に回帰へ―薬学教育と研究の未来を切り拓く葛飾キャンパス移転の全貌
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東京理科大学薬学部が都内に回帰へ―【偏差値・倍率UP】―薬学教育と研究の未来を切り拓く葛飾キャンパス移転の全貌
2025年4月、東京理科大学薬学部が新たなステージへと歩みを進めます。これまで千葉県野田市に構えていた薬学部と大学院薬学研究科が、東京都葛飾区の「葛飾キャンパス」へと完全移転します。今回の移転は、教育・研究の質を一層高めることを目指した大規模な再編成であり、東京理科大学の歴史においても大きな転機となる出来事です。
本記事では、薬学部移転の背景、葛飾キャンパスの特徴、教育研究体制の今後、学生生活への影響、地域社会とのつながりまで、多角的に掘り下げてご紹介します。
■ 20年ぶりの都心回帰——再び東京へ
東京理科大学薬学部は、2003年に神楽坂キャンパス(東京都新宿区)から千葉県野田市へ移転して以来、20年以上にわたり郊外型キャンパスで教育研究を行ってきました。しかし、2025年春、再び都内へと拠点を戻すことで、大学としての「都心回帰」の流れが本格化します。
この決断の背景には、教育・研究環境の質的向上だけでなく、都市型キャンパスによる学際連携の強化、企業や研究機関とのアクセス性の向上、学生の通学利便性向上といった複合的な要因が挙げられます。
■ 葛飾キャンパスが担う新たな役割
薬学部の新たな拠点となる葛飾キャンパスは、2013年に開設された比較的新しい都市型キャンパスです。JR金町駅の西側に広がるこのエリアは、かつて製紙工場や住宅地が混在していた地域でした。再開発の一環として、地元行政の誘致により理科大の進出が実現した経緯があります。
葛飾キャンパスには現在、工学部および先進工学部、またその大学院課程が設置されており、約5,000名の学生が通っています。ここに新たに薬学部と大学院薬学研究科の約1,200名が加わることで、キャンパス全体の学生数は約6,200人に拡大。首都圏の中でも有数の理工系総合キャンパスとしての存在感をさらに高めます。
■ 学部間連携を促進する空間設計
今回の移転では、単なる施設移転ではなく、分野を超えた融合と協働を重視した設計思想が貫かれています。新設される「共創棟」では、分野が異なる研究室が隣接するように配置され、意図的に研究者同士が日常的に交流できる環境を整備。薬学と工学、あるいは情報科学との接点が生まれやすい構造が特徴です。
このようなレイアウトによって、「創薬×AI」「医療×データサイエンス」といった新しい学際領域への挑戦が自然と促されるのです。従来の専門領域にとらわれない、柔軟で先進的な研究文化の醸成が期待されています。
■ 薬学教育の高度化——創薬から臨床、公衆衛生まで
薬学部は、6年制課程の薬学科と、4年制課程の生命創薬科学科の2学科構成。前者は薬剤師養成、後者は創薬研究に特化しており、それぞれが独自の教育目標を持ちながらも、共通して「人類の健康と幸福に貢献する人材の育成」を掲げています。
教育課程では、化学・生物・物理・情報といった基礎科学を土台としつつ、医療薬学・環境衛生・創薬・バイオインフォマティクスといった応用分野に至るまで、幅広い領域をカバー。さらに、現場での実務経験やチーム医療演習を取り入れることで、即戦力としての実践力も身につけます。
このような総合的アプローチにより、単なる知識習得ではなく、倫理観・人間性・課題解決力を兼ね備えた薬学専門職を育成しています。
■ 入試改革と志願者層の変化
移転効果は、すでに志願者動向にも表れています。薬学部の志願者数は前年比で1.2倍に増加。都市部でのアクセスの良さや、研究環境の充実が高く評価された結果と見られます。
加えて、入試制度にも独自性があります。特に、私立薬学部としては異例とも言える「数学Ⅲ」の出題が特徴的です。これは、高度な数学的思考を求める創薬・データ解析分野への対応であり、他の私立薬学部との差別化にもつながっています。
慶應義塾大学薬学部など有力私学の滑り止めではなく、難関国立や旧帝大志望者の併願先として、プライドある学生を惹きつける存在へとシフトしています。
■ 学生生活と周辺環境の変化
葛飾キャンパスへの移転により、学生生活にもさまざまな変化が生じます。まず挙げられるのが通学利便性の向上。JR金町駅や京成線の柴又駅などを利用できる立地で、都心部や近隣県からのアクセスも良好です。
また、周辺エリアには住宅街が多く、学生向け賃貸物件の需要も拡大しています。理科大は学生寮も用意していますが、全学生を収容できるわけではないため、駅周辺の物件情報には注目が集まります。
金町駅周辺には商業施設や飲食店も多く、学生にとって生活しやすい環境が整っています。さらに、東に松戸、西に亀有と、暮らしやすい街が隣接しているのも大きな魅力です。
■ 地域社会とのつながりにも期待
葛飾区との連携も、今回の移転によってより密接なものとなっていくでしょう。もともと再開発の一環で誘致された経緯もあり、今後は地元企業や医療機関との連携、地域住民向けの公開講座や健康セミナーなど、大学が地域社会の知的拠点として貢献する場面が増えると予想されます。
教育機関としての役割にとどまらず、まちづくりや地域活性化の担い手としての責任も、今後ますます重要になっていきます。
■ 野田キャンパスの再構築と未来構想
一方で、薬学部が抜ける野田キャンパスにも新たな動きがあります。2026年には「創域情報学部(仮称)」の新設が予定されており、情報科学と他分野の融合をテーマにした新たな教育拠点となる構想が進んでいます。
これは、理科大全体が従来の学問領域にとらわれず、社会課題解決を志向した学際的な学部編成を目指していることの表れでもあります。野田は再び、先進的な学びの舞台として生まれ変わろうとしているのです。
■ まとめ:都心で進化する理科大薬学部
今回の移転は、単にキャンパスの住所が変わるという話ではありません。東京理科大学薬学部は、都心という新たな舞台で、教育・研究・社会貢献という大学の本質的な役割をさらに深化させようとしています。
(akamon lab) 2025年7月30日 19:06
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