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「Fランク大学」とは?進学前に知っておきたい現実と未来の可能性

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「Fランク大学」とは?進学前に知っておきたい現実と未来の可能性

最近、インターネット上でよく目にするようになった言葉に「Fランク大学」というものがあります。この言葉は耳にしたことがあるものの、明確な定義がされているわけではなく、その内容はあいまいなまま一人歩きしていることが多いのが現実です。

では、そもそも「Fラン」とは何を意味し、どのような大学が該当するのでしょうか?さらに、こうした大学に進学することにはどのようなメリット・デメリットがあるのか、卒業後の進路はどのような可能性を秘めているのか――。この記事では、あえてネガティブに語られることの多いFランク大学について、客観的にそして多角的に分析していきたいと思います。


「Fランク大学」の定義とは?

まず最初におさえておきたいのは、「Fランク大学」という表現には公式な定義が存在しないという点です。大学評価をA~Fのようにランク分けしている公的な機関はなく、あくまでも俗称、あるいはネットスラングに近い扱いとなっています。

それでもあえて特徴を挙げるとすれば、「入試の難易度が非常に低く、ほぼ全入(誰でも入れる)」という点が共通しています。中でも、予備校業界などでは「ボーダーフリー(BF)」と表現されることがあります。これは、受験者数が少なく、試験結果によって合否を判断する基準が事実上存在しない状態を指します。

一例として、ある大手予備校では偏差値が35未満で、なおかつ不合格者が極端に少ない大学を「BF」として区別しています。この「ボーダーフリー」と「Fラン」はほぼ同義として扱われており、ネット上ではこれらが混同されることもしばしばです。


Fラン大学に進学するリスクとは?

Fランクと呼ばれる大学に進学した場合、いくつかのリスクや懸念点が存在します。中でも特に多く挙げられるのが以下の点です。

1. 学習意欲の低下を引き起こしやすい環境

入試の難易度が低いことから、入学時点で学習に対する強い意志を持っていない学生も多く集まりやすくなります。その結果、キャンパス全体の学習意識が低くなりがちで、「真面目に勉強したい」と考えている学生が孤立するケースも見受けられます。周囲の意識が低ければ、自分のモチベーションも下がってしまうのはよくある話です。

2. 教育内容とのギャップ

教育の質に関しても、大学ごとに大きなばらつきがあります。Fラン大学の中には、授業内容が高校以下、時には中学レベルからスタートすることもあります。実際に、英語の授業がbe動詞の確認から始まるといった話もあり、「これが大学なのか?」と疑問を持つ学生も少なくありません。

もちろん「学び直し」そのものは悪いことではありませんが、それが大学で行われるべき内容かどうかは再考の余地があるでしょう。

3. 就職活動でのハンデ

最もシビアな問題は、卒業後の就職に影響が出る可能性があるという点です。多くの大手企業では、採用時に非公式ながら「学歴フィルター」を設けているとされており、一定以上の大学出身者でなければ書類選考すら通過できないことがあります。これは公にされているものではありませんが、実際にエントリーシートで落とされるFランク大生は少なくありません。

加えて、学力や学習態度の差は、筆記試験や適性検査といった選考過程で顕著に表れやすいため、努力を怠ったままでは苦戦を強いられるでしょう。


学費と教育の「コストパフォーマンス」

大学には年間で100万円前後の学費が必要とされ、私立であれば4年間で400万〜500万円以上になることも珍しくありません。それに対して、教育の内容や得られるスキルが十分でなければ、「お金の無駄だった」と感じるケースも出てきます。

実際にFラン大学では、授業の内容が大学レベルに達しておらず、教育の質に疑問を持たれることもあります。教員の資質というよりも、生徒の学力レベルに合わせてカリキュラムが引き下げられた結果、内容が単純化してしまうという構造的な問題です。


中退率の高さとその背景

Fラン大学では、中退率が他の大学と比較して高くなる傾向があります。これは、入学の段階で明確な目標を持たず、「とりあえず進学しておく」といった選択をする学生が多いためです。

入学後、思い描いていた大学生活と現実のギャップに苦しみ、最終的に中退を選ぶ人も少なくありません。場合によっては、学業に対する意欲だけでなく、趣味や生活面でも無気力な傾向が強まり、結果的に孤立してしまうこともあります。


Fラン大学に進むメリットは?

一方で、Fラン大学に進学することには一定の利点もあります。

1. 大卒資格が得られる

大学卒という学歴は、依然として多くの企業の採用条件として設けられています。専門学校や高卒では応募ができない求人にアクセスできるという点で、大卒の肩書きは依然として有利です。さらに、統計的にも大卒のほうが生涯年収が高くなる傾向があるため、「学歴による収入の差」を意識するのであれば進学する価値はあります。

2. 自由な時間を活用できる

Fラン大学は、進級や卒業が比較的容易な場合が多く、自由に使える時間が多くなりがちです。この時間を自己研鑽に使えば、資格取得や語学学習、インターンシップなどで自分を大きく成長させることも可能です。

また、履修の自由度が高いため、途中で専攻を変えることができたり、興味のある分野を横断的に学べるのも大学の強みです。


Fラン大学で成功するためには

Fランク大学に入学したからといって、将来が閉ざされるわけではありません。むしろ、そこから自分の行動次第でどれだけ成長できるかが問われるのです。

周囲に流されない意識を持つ

学内に無気力な学生が多かったとしても、自分まで流される必要はありません。むしろ、そのような環境だからこそ「自分だけは違う」と強い意志を持ち、自分の時間を有効に使いましょう。

外部との接点を持つ

地元に近い大学に通う場合、環境が大きく変わらないため、行動範囲も狭くなりがちです。しかし、大学時代は人間関係や経験の幅を広げる絶好の機会でもあります。アルバイト、インターン、ボランティア、留学など、学外の人々と関わることで得られる刺激は大きな成長につながります。

資格やスキルで評価を覆す

大手企業が学歴を見ているとしても、それだけですべてが決まるわけではありません。簿記、TOEIC、IT系資格、公務員試験など、実力で評価される場面も数多くあります。公務員試験においては学歴が問われないため、逆転のチャンスを狙うことも可能です。


まとめ:大学の価値は「入ってからどう過ごすか」

Fラン大学について、ネガティブな情報が多く流れていますが、進学したことがイコール失敗というわけではありません。大学生活をどう過ごすか、何を学び、どのようなスキルや人間関係を築いていくかで、その後の人生は大きく変わっていきます。

大切なのは「どこの大学に入ったか」ではなく、「その場所でどう過ごしたか」。そういう意味では、Fラン大学でも十分に人生を切り開いていくことは可能です。

一人ひとりが自分の可能性を信じ、自ら行動を起こせば、どんな環境からでも社会で活躍することはできるのです。今は転職が当たり前の時代。最初のスタート地点がどうであれ、諦めずに歩み続けることで道は必ず拓けます。


 


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