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「就職実績がいいからなんとなく理系」で進学したら後悔する?―進路選択で見落としがちな落とし穴とは

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「なんとなく理系」で進学したら後悔する?―進路選択で見落としがちな落とし穴とは

多くの高校では、1年生の終わりごろに文系・理系の選択を迫られます。このとき、深く考えずに「将来の就職に有利そうだから」といった理由で理系を選ぶ生徒も少なくありません。しかし、こうした安易な選択が、後々大きな後悔につながることがあるのです。

本記事では、「なんとなく理系」を選んでしまった学生が直面する問題や、理系学部ならではの特性、そして進学前に押さえておきたいポイントを詳しく紹介します。


なぜ「理系を選んで後悔する」のか?

1. 学習内容のハードルが高すぎる

理系科目の特徴としてまず挙げられるのが、積み重ねの学問であるという点です。特に数学や物理は、基礎から応用へと段階的に学ぶ必要があり、一度つまずくとその先が極端に難しく感じるようになります。

たとえば、高校で「数学III」まで進む必要があるのが理系コース。ところが、もともと数学が苦手な生徒が無理に理系を選ぶと、そもそもの基礎があやふやなまま数IIIを学ぶ羽目になり、結果としてついていけなくなることもしばしばです。

2. 理科科目の選択ミス

「物理と化学が理系の定番だから」と特に興味もないのにその組み合わせを選んでしまうと、あとで苦労する可能性があります。化学は特に抽象的な概念が多く、モチベーションが低いと理解が追いつきにくい科目です。

また、生物選択も難しく、例えば医学や生物学系の学部で必要な「生物」ですが、生物では受験できない医療系学部も。科目選択で受験できる大学が限られるなど、進学先の選択肢を自ら狭めてしまうケースも見られます。


理系学部に進んでからの現実

1. 文系よりも時間に余裕がない

理系学部の大きな特徴のひとつが「とにかく忙しい」ということです。座学だけでなく、実験、レポート、実習、研究活動など、文系学部ではあまり見られないタスクが次々と課されます。

例えば、ある工学系学部では、毎週のように実験とそのレポート提出があり、夜遅くまで研究室に残ることも日常茶飯事。友人との時間やアルバイトに充てる時間は限られ、大学生活の自由さに憧れていた学生ほど、そのギャップにショックを受けることがあるのです。

2. 勉強が想像以上にキツい

理系の学問は専門性が高く、基本的な知識だけでは通用しません。むしろ、理系だからこそ“勉強量の差”がそのまま成績に反映されやすい分、努力を怠るとすぐに成績が下がります。

とくに「将来の目標がないけど、なんとなく理系」という動機で入学した学生は、興味のない専門分野を4年間学び続けることが精神的に非常に辛く感じられることが多いです。


理系に進むメリットはあるのか?

もちろん、理系に進むことはすべてにおいて“悪”ではありません。理系には理系の強みも数多くあります。

1. 就職先の幅広さと専門性

理系の強みとしてよく挙げられるのが、「就職に有利」という点です。例えば、工学部では技術職に限らず、論理的思考力を武器に金融業界やコンサルティング業界など、文系が主流と思われがちな業界にも進出できます。

ただし、注意が必要なのは、すべての理系学部が同じように就職に強いわけではないこと。たとえば、理学部などの基礎研究を重視する学科では、就職活動でやや苦戦する学生も見られます。就職における「理系有利」は、あくまで専門スキルと応用力が評価されてのものなのです。
また就職に有利なのは電気なら電気系、機械なら機械系、建築なら建築系とそれぞれの専門分野にも就職が可能なためにすぎません。前述の理学部系はこういった就職先が研究機関以外ほぼ無いことから苦戦します。例えば電気系の学部に行ってもこれを生涯の仕事にするのはきついなと思って文系でもできる一般就職を選べば理系のメリットは失われます。(技術営業や理系特有の論理的思考などが評価されることはあります)結局苦労したのに文系の人と変わらない就活をしなければならないこともあります。

2. 努力が報われやすい学問体系

理系科目のもう一つの魅力は、「根気強く取り組めば成果が出やすい」という点です。難解な問題に直面しても、諦めずに繰り返し取り組むことで、少しずつ解けるようになります。

センスが必要だと言われることもありますが、理系における“センス”とは、経験によって培われるもの。高校や大学での継続的な学習が、論理的思考力や問題解決力を育ててくれます。


理系進学を検討する前に考えるべきこと

理系を選ぶ前に、自分の適性や将来の進路をよく考えることが何よりも重要です。以下のような視点から、進路を見直してみましょう。

  • なぜ理系に進みたいのか?
    単に「就職に有利そうだから」といった理由でなく、自分が興味を持てる分野や得意な科目があるかどうかを確認しましょう。

  • 進みたい大学や学部の入試科目は何か?
    高校で物理と化学を選んだけど、生物系に進みたい……となってからでは遅いこともあります。志望校の入試科目を調べることは早めに行っておくべきです。

  • 大学での学び方をイメージできるか?
    大学では自主的な学びが求められます。実験や研究に積極的に取り組む姿勢があるか、自問してみましょう。


最後に:理系は決して“楽”ではないけれど

理系進学を選ぶということは、少なくとも「ラクして大卒の資格が取れる」といった甘い期待をしてはいけません。数学や理科が得意かどうかだけでなく、それらの学問に対する興味や向き合う覚悟が問われる選択です。

しかし、自分に合った分野を見つけ、やりがいを感じながら取り組めれば、理系という進路は決して後悔するものではありません。自分の将来に責任を持つという意味でも、「なんとなく」ではなく、「納得して」進路を選ぶことが、何よりも大切なのです。


まとめ:こんな人は理系をもう一度考えてみて!

  • 数学や理科に苦手意識がある人

  • 興味がないけど就職のために理系を選ぼうとしている人

  • 自分の将来像がまだ見えていない人

  • 忙しい大学生活に耐えられる自信がない人

逆に、興味のある分野が明確で、地道な努力が苦にならない人であれば、理系は大きな可能性を持った進路でもあります。

理系か文系か――その選択があなたの人生に与える影響は決して小さくありません。だからこそ、「とりあえず理系」で終わらせず、自分の進路に責任を持って選んでほしいと心から思います。


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