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「あと1ヶ月あれば何ができるか」「このままで合格できるのか」——。入試直前期、理系の受験生はプレッシャーと戦っています。しかし、焦りからくる誤った行動は、今まで積み上げた実力を崩しかねません。この記事では、理系受験生が陥りがちな「直前期のNG行動」と、それを「得点に変えるための具体的アクション」に切り替える方法を解説します。
まずは全体像を把握しましょう。理系受験生が直前期に陥りやすい「負けパターン」です。これらを避けるだけで、合格率は安定します。
理系科目を中心に、直前期特有の落とし穴と、今すぐ切り替えるべき勉強法を解説します。
❌ NG行動: 新しい応用問題集を無計画に解く。頻出分野(微積・確率・数列)の弱点を放置したまま、数IIIの難問に挑む。
◎ OK: 「典型問題」への回帰: 『青チャート』や『Focus Gold』などの例題レベル、あるいは過去問の(1)(2)レベルを「迷わず計算完遂できる」状態にする。 計算力のメンテナンス: 毎日30分、必ず手を動かして計算する。特に積分計算やベクトルの計算は、見るだけでなく「答えが合うまで」やり切る。
理系生は英語を軽視しがちですが、安定した得点源にすべき科目です。
❌ NG行動: とにかく長文を多読するだけで、文法や語彙の確認を怠る。英作文を「なんとかなる」で放置する。
◎ OK: 時間配分の固定: 共通テスト・二次ともに「大問ごとの時間制限」を厳守する練習を行う。 英作文の型(テンプレート)整備: 自由英作文は新しい表現を覚えるより、使い慣れた構文(It is likely that… / The reason why… 等)をミスなく書けるように復習する。 音読復習: 読んだ長文を音読し、英語を英語の語順で理解する回路を維持する。
理科は直前まで伸びる科目ですが、やり方を間違えると混乱します。
❌ NG行動: 公式を丸暗記するだけで、適用条件(いつ使えるか)を理解していない。新しい理論の専門書に手を出す。
◎ OK: 物理: 力学の運動方程式やエネルギー保存則など、基本原理を「どの場面で立てるか」を図を描いて整理する。 化学: 無機・有機の暗記分野は毎日ルーティン化。理論化学は計算プロセス(モル計算・平衡定数)の「型」を再確認する。 生物: 実験考察問題のリード文を読み、論理展開(仮説→実験→結果→考察)を素早く把握する訓練を行う。知識の穴は教科書の図説で埋める。
「この参考書が良いらしい」という噂に最も心が揺らぐ時期ですが、原則として新規投入はNGです。
原則: 入試本番の2ヶ月前(遅くとも12月)以降は、新しい問題集を買わない・始めない。 理由: 1冊を完璧にする前に新しいものに手を出すと、知識が断片化し、自信を失う原因になります(「あれもやってない」という不安が増大する)。
手元の教材を使い続けるか迷った時は、以下のリストを確認してください。
今使っている問題集の解法を、何も見ずに再現できるか?(Noなら継続)
過去問で頻出の分野が、手持ちの教材でカバーできているか?(Yesなら継続)
志望校のレベルと、その教材のレベルは乖離しすぎていないか?
例外: 過去問演習で「特定の分野(例:有機化学の構造決定)」だけが壊滅的な場合のみ、その分野特化の薄い問題集を追加するのはOK。
過去問は「実力試し」ではなく「傾向把握と調整」のためのツールです。
やりっぱなし厳禁。 解いた時間の2倍以上の時間をかけて分析する。 「なぜ間違えたか」を言語化する(知識不足/計算ミス/読み違い/時間不足)。 出典である赤本や青本の解説だけでなく、教科書や自分が信頼する参考書の該当ページに戻る。
❌ NG行動: 志望動機や自己PRを一言一句丸暗記する(想定外の質問でフリーズする)。 ネットで拾った浅い時事ネタ(AI、SDGs等)を知ったかぶりして話す。
◎ 練習法: キーワード法: 話す内容を文章ではなく「箇条書きのキーワード」で頭に入れる。 模擬面接: 必ず第三者(先生・親・友人)と対人練習を行う。話す内容よりも「目線」「声のトーン」「結論から話す姿勢」をチェックしてもらう。
不安な時期はスマホを触る時間が増えがちです。
❌ NG行動: X(旧Twitter)や掲示板の「〇〇大学は今年易化する」「E判定から逆転した俺の最強メソッド」などの投稿を鵜呑みにする。 出処不明の「予想問題」に振り回される。
◎ 信頼できる情報源: 大学公式サイト(入試要項): 日程、持ち物、感染症対応などのルールはここが唯一の正解。 大手予備校の公式情報: 模試データに基づいた倍率予測や傾向分析。個人的な感想ではなくデータに基づいているため信頼できる。
受験は体力勝負です。体調管理も「科目」の一つと考えてください。
当日の持ち物チェックリストです。前日に必ず確認してください。
【必須アイテム】 受験票(コピーも持っておくと安心) 時計(計算機能なしのアナログ時計がベスト。予備もあれば尚良し) 筆記用具(鉛筆・消しゴムは多めに。芯が折れていないか確認) 現金(交通系ICカードのチャージ不足やトラブルに備えて) 眼鏡・コンタクトレンズ(予備含む) マスク(予備含む)・ハンカチ・ティッシュ お守り代わりの「使い込んだ参考書」1冊
【直前】 会場までのルート再確認(乗換案内だけでなく、駅からの徒歩ルートも) 昼食の準備(現地調達は売り切れリスクあり。持参が確実) 防寒対策(会場の空調は予測不能。重ね着で調整できるように)
直前期にやるべきことはシンプルです。 1. 新しいことに手を出さず、基礎・典型問題を完成させる。 2. 過去問で「時間の使い方」と「自分の弱点」を知る。 3. 生活リズムを整え、万全の体調で当日を迎える。
「やったことがない問題」が出たら、周りの受験生も解けないものだと思い切り換えましょう。あなたがこれまで積み重ねてきたテキストと努力を信じて、堂々と試験会場に向かってください。健闘を祈ります!