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倫理・政治経済は、文系理系問わず多くの大学で選択可能な科目ですが、その範囲は広く、知識の質と量の両方が問われます。夏休みは、基礎の定着から応用までを一気に進める絶好の機会です。ここでは「倫理」「政治経済」の双方を効率よく学び、入試得点を安定させるための具体的な方法を、分野別かつ実践的に解説します。
倫理は、大きく分けて以下のパートに分かれます。
古代から近現代に至る西洋哲学史(ソクラテス、カント、マルクスなど)
日本思想史(聖徳太子、西田幾多郎など)
宗教思想(キリスト教、仏教、イスラム教など)
現代倫理(生命倫理、環境倫理など)
この構造をまず俯瞰し、各領域の重要人物とキーワードを時系列・テーマ別に整理することが重要です。
政治経済は、以下の大枠に沿って整理します。
政治分野:憲法、統治機構、選挙制度、国際政治
経済分野:市場経済の仕組み、金融、財政、国際経済、経済思想史
現代社会の課題:格差、環境、国際協力など
「制度」「理論」「統計・時事」の3層構造で覚えると、知識がつながりやすくなります。
例えば、カントの義務論をただ暗記するのではなく、「啓蒙時代のドイツで、合理性と道徳を結びつけようとした哲学者」という背景から学ぶと理解が深まります。
重要人物は、生きた時代背景 → 問題意識 → 主張 → 用語 の順に整理しましょう。
西田幾多郎と和辻哲郎、吉田松陰と福沢諭吉など、同時代や近い時代の思想家を比較表にまとめると記憶が安定します。思想の方向性(個人主義か共同体重視か、実学志向か理論志向か)を軸に整理するのが有効です。
キリスト教ならカトリックとプロテスタントの違い、仏教なら大乗と上座部の違いなど、宗派ごとの特徴と代表人物をセットで覚えます。図式化して矢印で関係をつなぐと混乱しません。
憲法は条文を一言一句覚える必要はありませんが、重要な条項(第9条、第25条など)は具体的な判例や事件と関連付けて覚えます。
例:第25条 → 朝日訴訟 → 生存権と国の義務
需要供給曲線やGDP、インフレ・デフレなどは、定義と計算方法、グラフの形を同時に押さえることが重要です。グラフを自分で書く練習を繰り返すと、記憶の定着が早まります。
WTO、IMF、FTAなどの国際経済機関や協定は、それが成立した背景や目的、最近のニュースと結びつけると忘れにくくなります。
倫理では思想家や宗教の流れを年表に、政治経済では制度の成立や経済の変遷を年表化します。それと同時に、テーマごとにマインドマップを作成し、中心にテーマ、枝に関連用語を配置します。
表面にキーワード、裏面に説明や背景を記載したカードを大量に作り、毎日少しずつ回すことで知識が固まります。
思想家同士、制度同士を比較した表は、一度作れば復習効率が大幅に上がります。入試本番で迷った時の判断基準にもなります。
最初は分野別問題集で基礎固め、その後、大学別過去問や総合問題集で総合力を試します。初めは時間制限なしで正確性重視、徐々に制限時間内で解けるようにします。
志望校の過去問を解いたら、どの分野が頻出なのか、倫理寄りか政治経済寄りかを分析します。出題傾向に応じて学習比率を調整します。
間違えた問題や迷った問題は、解説とともに「なぜ間違えたか」「正答を導くための手順」を書き出したノートにまとめます。これが入試直前期の最高の復習資料になります。
論述問題は、
問題文の要求を正確に読み取る
主張を一文で明確化
根拠を2〜3点挙げる
まとめで締める
という流れを徹底します。
指定語句がある場合は必ず盛り込み、かつその語句の意味を正確に理解して使用します。思想家名や条文番号は得点に直結する要素なので外さないよう注意します。
GDPや失業率の推移グラフ、投票率の比較などは、増減の理由や社会背景を説明できるようにします。グラフの単位や対象国にも注意が必要です。
倫理では原典の一節、政治経済では条文や国際条約の一部が引用される場合があります。内容を要約し、誰の思想やどの制度に関するものかを特定する訓練をします。
複数冊に手を出すより、信頼できる1〜2冊を繰り返し使うほうが定着度が高まります。
夏休みは、全範囲の基礎固めと頻出分野の強化を同時に進める期間です。
倫理は思想家の流れと比較を重視
政治経済は制度・理論・時事をリンク
演習で出題傾向に合わせた精度向上
この流れで進めれば、秋以降は過去問中心の仕上げに入ることができます。