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【新大学受験】大学入試改革で年内に学力試験が可能に?新制度の全貌と今後の影響とは

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【特集】大学入試改革で年内に学力試験が可能に?新制度の全貌と今後の影響とは

はじめに

近年、日本の大学入試は「多面的・総合的な人物評価」を重視する方向に大きく舵を切ってきました。その象徴が、いわゆる**「年内入試」**と呼ばれる総合型選抜や学校推薦型選抜の拡充です。しかし、この制度に対して「学力を十分に評価できていないのではないか」という指摘も根強く存在していました。

そして、ついに国が動きました。今後、年内入試においても、条件付きで学力検査を導入することが正式に認められる方針が打ち出されたのです。これは、教育現場・受験生・保護者にとって大きな転換点となります。

この記事では、新しい大学入試制度の内容をわかりやすく解説しつつ、どんな準備が必要か、受験生にどのような影響があるのかを多角的に考察していきます。


年内入試とは何か?基本の確認から

「年内入試」とは、大学入試における**総合型選抜(旧AO入試)および学校推薦型選抜(旧推薦入試)**を指す通称です。これらの選抜は、一般入試とは異なり、主に以下の特徴を持っています。

  • 出願開始が早い(9月〜11月)

  • 合格発表が年内に出る(11月〜12月)

  • 人物評価が中心(志望理由書、小論文、面接、活動実績など)

文系・理系を問わず多くの大学がこの方式を取り入れており、入試のバリエーションが年々豊富になっています。

ただし、従来はこの方式に本格的な学力検査(筆記試験)を組み込むことは難しいとされてきました。


学力試験「解禁」の背景と狙い

文部科学省が今回打ち出したのは、推薦・総合型選抜であっても学力検査を実施可能にするという制度変更です。とはいえ、完全な自由化ではなく、「複数の評価方法を組み合わせて行うこと」が条件として提示されています。

この動きには、以下のような背景があります。

1. 入学後の学力不適合を防ぎたい

これまで推薦入試で合格した学生の中には、「入学後の授業についていけない」という問題を抱えるケースが少なくありませんでした。特に理系や専門職系の学部では、基礎学力が極めて重要なため、大学側も「入学前の学力評価をもっと重視すべき」との声を強めてきました。

2. 入試の公平性を高めるため

人物評価中心の入試方式は、面接官や選考委員の主観が入りやすく、「本当に優秀な学生を選べているのか」という疑念が常に伴います。学力テストという客観的な指標を一部導入することで、選抜の透明性を確保しようという狙いがあります。

3. 地方や普通科の高校生を救うため

活動実績や受賞歴に乏しい生徒でも、学力でポテンシャルを示せる道を広げることで、より多くの受験生に平等なチャンスが与えられる可能性があります。


新制度の要点と注意点

文部科学省の新たな指針によると、総合型・学校推薦型選抜における学力試験導入には、以下のようなポイントが明確に示されています。

■ 1. 学力検査は「組み合わせ評価」の一部として扱う

単独での筆記試験のみで評価するのではなく、

  • 小論文

  • 面接

  • 実技試験

  • ディベート・プレゼンテーション

  • 志望理由書、活動報告書

などと必ず組み合わせて総合的に評価する必要があります。これは「筆記力だけがすべてではない」という従来の評価方針を維持するためです。

■ 2. 小論文の内容にも制限あり

小論文の問題形式に関しては、「特定教科・科目の知識を直接問う内容にはしないこと」が求められています。つまり、国語や英語の試験のような出題形式にすることは禁止されており、思考力や表現力を重視する方向性は変わらないということです。

■ 3. 推薦型は「学校の推薦」が必須

学校推薦型選抜に関しては、依然として「高校長の推薦」が出願条件となります。本人の希望だけでは出願できないことや、推薦の要件を明文化することが、より強調されました。


大学と高校に求められる対応

今回の制度変更を受けて、大学側にも高校側にも新たな責任が生じてきます。

大学:柔軟かつ透明な選抜設計が必要

大学は、学力検査の導入に際して、

  • 出題形式

  • 評価基準

  • 実施科目

などを、夏までに公表する必要があります。さらに、一度公表した内容は原則として変更できないため、制度設計の段階から十分な検討が求められます。

高校:学力と人物のバランスをとった育成が必要

高校にとっても、「推薦を出すかどうか」の判断基準がより厳密になるとともに、生徒に学力面での底上げを行う指導体制の整備が急務になります。

  • 評定平均だけでなく基礎学力を意識した授業設計

  • 面接・志望理由書のトレーニング

  • 模試・実力テストの活用

こうした指導が今後はさらに重要になります。


受験生がとるべき対策とは?

この制度変更により、受験生の戦略も変わってきます。

① 総合型や推薦型でも「学力対策」は必須

以前であれば、「推薦入試は楽だから受けよう」という安易な動機でも合格できたケースがありました。しかし、今後は**「基礎学力をしっかりと身に付けた上で、人物面も磨く」**という総合力が求められる時代になります。

② 情報収集を怠らない

学力試験を導入するかどうか、どの教科で実施されるかは大学ごとに異なります。各大学の最新の入試要項・募集要項を丁寧にチェックすることが何より重要です。高校の先生と連携し、学校経由で得られる情報も活用しましょう。

③ 推薦要件の精査

学校推薦型を希望する場合は、自分の高校でその大学への推薦枠があるのか、要件を満たしているかどうかを早めに確認する必要があります。希望するだけでは出願できないため、校内選考に向けた準備も怠れません。


今後のスケジュールと見通し

以下は、今後予定されている主な日程です。

  • 総合型選抜:出願は2025年9月1日以降、結果発表は11月1日以降

  • 学校推薦型選抜:出願は11月1日以降、結果発表は12月1日以降

  • 大学入学共通テスト:2026年1月17日・18日(本試験)

なお、学力検査を導入するか否か、その詳細(出題科目、評価方法など)は、2025年6月〜7月末までに各大学が公表することになっています。


まとめ:入試の多様化にどう向き合うか

今回の改革は、「推薦=楽な道」という安易なイメージを覆し、推薦でも実力を試される時代へと変化していることを意味します。一方で、学力だけでなく多様な能力が求められる点に変わりはなく、むしろバランスの良い力が評価されるようになってきたとも言えるでしょう。

これから大学受験を迎える中高生にとっては、ややハードルが高くなったと感じるかもしれませんが、日頃の学習と活動の両面を丁寧に積み重ねることが最大の対策になります。

変わりゆく制度をチャンスと捉え、自分らしい進路選択を進めていきましょう。


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